連携やシステムとの組み合わせがカギになる。一見何気ないデータも宝になり得るセルフサービスBI。その活用法を紹介する。
ビジネスの意思決定のため、素早く、自分の手でデータの視覚化ができる強力なデータ視覚化ツールが「セルフサービスBI」です。
さまざまなデータを取り込んで分析できるセルフサービスBIは、単体での使用に限らず、他のソフトやシステム、サービスなどと連携することで、より大きな力を発揮することができます。一見意味のなさそうなデータも、思いかげない気付きを与えてくれる宝の山に変化するかも知れません。その一例を紹介します。
まず連携させたいのはExcelです。セルフサービスBIとExcelを組み合わせるのが活用の第一歩かもしれません。
さまざまなデータをExcelで管理している企業は多いでしょう。ほとんどのセルフサービスBIはExcelの表データをそのまま読み込むことができますので、変換の手間を掛けることなくセルフサービスBIで分析が可能です。
中堅クラスの企業になると、販売管理や生産管理などに専用の基幹システムを使っているところも少なくありません。セルフサービスBIの多くはメジャーなERPシステムやデータベースに直接データを取りに行くことが可能です。
また、専用パッケージシステムのデータもCSVファイルでいったん保存すれば、セルフサービスBIでデータ分析させることが可能です。
「電子政府」の推進で、官公庁が人口や産業などのさまざまな統計データを「オープンデータ」としてWeb上に掲載しています。セルフサービスBIはこのようなデータも直接取り込むことが可能です。
このようなオープンデータでは、人口動態や地価、農作物の取高などが公開されており、自社が持つデータと組み合わせてマーケティングデータとして活用することが可能です。
Webサーバのアクセスログや、FacebookやTwitterなどのSNSのデータ、Google AnalyticsのようなWebアクセス解析サービスなどのデータを取り込むことも可能です。例えば新商品の売り上げデータと、自社のWebやSNSのアクセスログを関連付けて、ネットマーケティングを検証するなどということも簡単にできます。
モノのインターネットといわれる「IoT」は、幾つもの機器から、機器の状態や稼働状況など、さまざまなデータを取得することが可能となります。これらのデータは日々刻々と蓄積されるので、いわゆるビッグデータと呼ばれる膨大なデータになります。
このデータをセルフサービスBIで分析することで、故障予測や品質管理に役立てることができます。第4の産業革命といわれる「インダストリー4.0」では、IoTとビッグデータ分析が重要なポイントとなっており、特に製造業においてセルフサービスBIは今後欠かせない技術の1つになると期待されています。
セルフサービスBIは多種・大量のデータがあってこそ生きるものです。そのためにさまざまなソフトやシステム、サービスと連携できる仕組みが用意されています。
セルフサービスBIによって、これらデータを積極的に活用し、より効率的でスピーディーなビジネスの意思決定を実現していきましょう。
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