次に調査結果からハイパーコンバージドシステムの用途を見てみよう(図3)。
ここに挙げられた各用途は、実際に利用している用途だけでなく、利用したいと考えている(今はまだ利用していない)用途も含まれている。ハイパーコンバージドシステムは当初、VDIシステム構築のインフラとして注目され普及が進んだ。一般的にVDIは新規のシステム構築となることが多く、既存の運用を意識しなくてすむことから、ハイパーコンバージドシステムの導入に踏み切りやすかったわけだ。
そしてVDI向けにハイパーコンバージドシステムを導入した企業が、VDI以外の一般的なサーバ仮想化環境でもハイパーコンバージドシステムを利用するケースが増えてきている。その結果、ハイパーコンバージドシステムは、仮想サーバが用いられる用途に万遍なく利用されるようになったというのが実感だ。
図3ではデータベースが筆頭に挙げられてはいるが、「利用を希望する」企業が多いのが実態であり、データベースをハイパーコンバージドシステム上で本格的に運用している企業は多くないとみている。性能や安定性に厳密な要件がある用途では、従来型のシステム導入する方がよい場合も多いようだ。
続いて「Webアプリケーション」「開発/テスト」「メールなど」が挙げられている。一般的に新しい技術やコンセプトを持つ製品は、重要度がそれほど高くない業務から普及していくケースが多いため、こうした結果につながっているのであろう。
さらにERPやSCMや業種特化型アプリケーションといった重要度が高い用途が続いている。ハイパーコンバージドシステム上でこうしたアプリケーションを稼働するケースは増加してきているものの、データベース同様これらにしても、例えばオールフラッシュストレージが適用されるような性能重視のシステムや、非常に高い可用性や信頼性を求める場合はハイパーコンバージドシステムが最適とは限らない。
とはいえハイパーコンバージドシステムは、サーバ仮想化環境で稼働する用途全般に利用が拡大しており、重要度の高い用途での利用も拡大してきている。今後、ハイパーコンバージドシステム製品の進化やユーザーの考え方の変化次第では、より多くの用途でハイパーコンバージドシステムの導入が進むであろう。
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