続いてERPを導入済みと回答した人に「満足度」を尋ね(図2)、それぞれの理由を聞いた。結果は満足とする回答者の中に一定数の課題を挙げる声が聞こえてきた。以降ではその詳細を見ていこう。
その結果「とても満足している」が3.9%、「まあ満足している」が65.8%、「やや不満がある」が26.3%、「とても不満がある」が3.9%となり、まとめると全体で「満足」が69.7%、「不満」が30.2%という結果となった。
前回調査(2013年実施)では「満足」が71.6%、「不満」が28.4%であったため、導入済みのERPに対して若干「不満傾向」にあるものの、大勢はほぼ変わらず、約7割が満足しているという結果が得られた。
具体的にはどのような点で満足あるいは不満を感じるのだろうか。回答した満足度に対して具体的なコメントを聞いている。
まず「満足」と回答した人のコメントでは、「情報の分散が抑止できて、情報収集の時間短縮につながっている」「自社開発したシステムであり、自社内の業務に良く適合している」といった、自社開発故に業務運用に馴染んでおり、導入効果が表れているといったコメントが目立った。
一方で「まあ満足」としながらも「旧システムから完全移行できていない」「大きな問題はないがシステムが古い」「ERPの変更(カスタマイズ)は可能だが、100%要求が通るわけではない。また、(要求によっては)全く変更できない(望むようなカスタマイズができない)ERPもある」など運用や拡張性の面で問題点を挙げる声もあった。
続いて「不満」と回答した人のコメントでは、「現場の運用に機能が合っていないので手作業が発生する」「独自システムが多く管理しにくい」「カスタマイズを要する機能が多い」といった不満や、「UIがよくないし遅い」「レスポンスが遅い」「操作性が悪い、無駄な承認が多い」といった使い勝手への不満などが多く聞かれた。
また「定期的なバージョンアップが大変」「バージョンアップがきつい」など、自社業務に合わせようとカスタマイズを繰り返した結果、バージョンアップにかかる手間が増大したと思われる企業からの不満も少なくなかった。
こうした運用管理の負荷についての不満に次いで多かったのは「ライセンス料金が高い」「ランニングコストが高い」といったコスト面での不満であり、ERPへのシステム投資対効果に課題を感じている企業も少なくないことが分かった。
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