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「マイクロサービス」とは? ナナメ読みで納得(2/5 ページ)

» 2017年11月29日 10時00分 公開
[溝田萌里キーマンズネット]

2分目 Uber、マネーフォワード…新しいビジネス創出のトレンド

 マイクロサービスのことは頭の片隅に置きつつ、タクシー配車サービスの「Uber」について考えてみましょう。彼らは「Google Maps」といった地図アプリや通話・SMS、決済のアプリをつなぎ、データを連携させることで、新たなサービスの形を作り出しました。

Uberの例 図2 Uberの例 (資料提供:日本CA)

 こうした潮流の中、企業が新たなビジネスやサービスを創出するためには、外部のデータとリアルタイムに連携するという視点が必要になってきたと四宮氏は説明します。自社の持っているデータを業種の異なる他社のデータとつなげるという手法もその1つです。幾つかの例を考えてみましょう。

 昨今、保険業界では高齢社会のニーズを鑑みて、保険金支払いサービスの他に医療や介護関連の非金融サービスを提供しています。そうしたサービスを提供するためには、保険会社が医療機関や福祉施設と顧客のデータをやりとりすることが必要です。流通業界では昨今、顧客がコンビニで荷物を預け、受け取れるサービスを提供していますが、この場合もコンビニとデータを連携させることで集荷の効率を高めています。例えば、宅配業者がコンビニに集荷物があるかどうかのデータをリアルタイムに受け取れば、集荷物を回収する経路も最適化できます。また、金融業界は、Fintechのブームを受けてシステムを業界の標準規格で構築するオープン化に乗り出し、その結果として「マネーフォワード」などの会計アプリから銀行の口座情報を参照できる便利なサービスが生まれました。

 さて、データをやりとりするためには自社と他社のシステムを連携させなければなりません。それも、送りたいデータを一定期間ためこんでファイルに書き込み、ファイルを一括で転送する「バッチ処理」といわれるようなやり方では意味がありません。コンビニに荷物を集荷する際、一日前の状況が分かってもデータが古過ぎるとなるわけです。重要なことは、セキュア、かつリアルタイムにデータをやりとりすること。そのために、最近では「Web API」という手法が進化しています。そしてマイクロサービスは、このWeb APIを使って外部との情報をやりとりできるよう、システムを短期間で改修できるように柔軟にしておくための手法だと四宮氏は説明します。

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