次に、AIのビジネス利用において期待するものを複数回答で質問した。すると、最も多かったのは「人間には記憶不可能なデータを記憶させ、Q&Aなどに最適解を提示することに活用したい」(49.4%)となった。これは、第2次AIブームで脚光を浴びたエキスパートシステムの進化系のようだ。
次いで、「ビッグデータ解析に活用し、イノベーションを生み出したい」(44.9%)、「ビッグデータ解析に活用し、人件費を削減したい」(33.5%)、「機械学習や自然言語処理を行うロボットなどを活用し、顧客との会話や接客に役立てたい」(29.0%)と続いた。また、自由記述回答の中には、「RPA」や「単純作業の削減」といったコメントも寄せられていた。
顧客接点でのAI活用については、Pepperのような物理的なロボットだけでなく、AIアシスタントやチャットボットといったソフトウェアロボットの活用事例が幾つか登場しているので、2018年度は一気に普及期に突入する可能性がある。
AIのビジネス利用の進み具合は、企業規模によってばらつきが生じている。AI活用において課題に感じるものを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「AIの活用とビジネス的視点の両方を持つ担当者が不足」(52.0%)だった。人材面の課題については、回答者の46.6%が「AI活用のための体制/組織が整備されていない」ことも挙げている。
また、「AIに関する知識が不足している」(50.2%)や、「ビジネスにどのようにAIを活用するのかがイメージできない」(31.1%)といった回答からは、AI活用に対して興味は抱きつつも具体的な利用方法が思い付かない様子が見て取れる。この点については、AI人材の育成制度の充実や、AI活用事例の増加などで解消されていくことだろう。
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