このようにアウトソーシングを利用する際は、経営的な視点で戦略を立て、総務の業務を可視化し、外注する業務を切り出して、継続的にアウトソーサーと話し合いを行い……というように組織として体力が必要だと分かるだろう。業務が立ち行かず、余裕のない状況で依頼を投げれば、総務がアウトソーサーをかじ取りできないリスクも生まれる。自社もしくは自部門の体力がある時期にこそ、アウトソーシングの利用を考慮すべきだ。
また、アウトソーシングを利用したからといって、全てが解決するというわけでもない。アウトソーシングというのは1つの手段にすぎず、それ自体が目的ではないことを再度強調したい。総務の役割を見直し、総務が自社をより良い方向へと導けるよう機能することが本質的な目標であって、そのために外部の力が必要ならば活用すればよいのだ。
もちろん選択肢は他にもあるだろう。重要なのは、総務が自社にとって適切な選択肢を選ぶためには、日ごろから外に出たり現場に赴いたりして、「誰が何を知っているのか」「誰に何を任せればよいのか」が分かる広い知見や人脈を形成しておくことだ。また、今後AIやIoTなどの新しいテクノロジーが総務にも入ってくるのは間違いない。AIやIoTの活用について経営者から問われてもすぐに対応できるよう、最先端の情報に触れておくようにしたい。総務の側から経営層にAI活用などを提案するということも必要になる。
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