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企業規模別、目的別で考える「名刺管理ツール」の選び方IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2018年04月16日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]
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名刺情報読み取りの精度

 各形態において名刺をデータ化する方法は、付属スキャナー、あるいは複合機による名刺のスキャンか、スマートフォンなど端末での名刺の撮影となる。その後、名刺管理ツールに搭載されるOCRエンジンによって文字がデジタル的なデータになるというフローだ。ここで問題になるのはOCRの文字認識率の精度だ。近年のOCR技術はかなり精度が高いものの、誤認識がないかどうかユーザーがチェックする手間は省きたい。

 そこで近年では、OCRでの読み取りと、オペレーターによる手入力を組み合わせた二段構えの読み取りサービスによって精度を保証する名刺管理ツールがある。具体的には、OCRでのデータ化と併せて、スキャンした名刺の画像データをオペレーターに手入力させ、名刺データを完成させるというもの。なお、名刺情報がオペレーターに送られる際には、「社名」「氏名」「電話番号」「メールアドレス」という具合に、個人情報が復元できないよう情報が分割されるため、まとまった1枚の名刺情報を見ることはできない。このため、オペレーターを通して個人情報が漏れるリスクも少ないという。

 クラウドサービス型の名刺管理ツールではこの機能をデフォルトで提供している場合もある。事業者によっては「即日利用可能」というようにオペレーター入力に必要な時間の短さを売りにしているのでチェックしたい。ちなみに精度の観点とはずれるが、オンプレミス型やパッケージソフトウェア型のツールでも、名刺を送付すればデータ化してくれる有償オプションを提供している。

対応デバイス

 前項でも触れたが、名刺のデータ化の入り口はスキャナーとスマートフォンであることが一般的だ。名刺管理ツールに対応するスキャナーが利用開始と同時に貸与されるサービスもあれば、オフィスにある既存の複合機を活用できる名刺管理ツールもある。利用するツールの対応デバイスは必ずチェックしたい。

 複合機を利用するツールの中には、名刺を同じ位置で表裏反転させて片側を再度スキャンすることで、同一の位置に配置された名刺を一組の名刺として両面登録することができるものもある。最近は、表面は日本語表記、裏面は英語表記という名刺も増えてきている。両面の情報を一組の情報として取得したい場合などに便利な機能だ。

「やさしく名刺ファイリング PRO v.15.0」複合機での裏面処理 図5 「やさしく名刺ファイリング PRO v.15.0」複合機での裏面処理(出典:エヌジェーケー)エヌジェーケーのパッケージソフトウェア型の名刺管理ツール「やさしく名刺ファイリング PRO v.15.0」。同形態の製品として実績が高くパッケージソフトながらクラウド連携機能なども備えている。

 また、スマートフォンのカメラを活用して名刺情報をデータ化する場合でも、複数枚の名刺を同時に撮影、データ化できる機能があれば、効率よく読み取りが可能だ。

Sansan「一括取り込み・即時データ化」機能 図6 Sansan「一括取り込み・即時データ化」機能(出典:Sansan)

 本稿では名刺管理ツールの各形態における共通の機能や差別化のポイントを確認した。最終的にどのタイプの名刺管理ツールを選択すべきかが見えてくるのではないだろうか。次回は「名刺管理ツール運用の際の注意事項」について解説する。

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