今回の調査では、移行後のサーバOSの選択について聞いた。結果は、割合の高い順から「Windows Server 2016」が64.7%、「Windows Server 2012/R2」が33.3%の順だった。サポート終了をきっかけとしたサーバ移行を題材に設問を設定したのだが、回答では12.7%が「Windows Server 2008/R2」の継続利用という結果になった(図1-1)。Windows Server 2008/R2とした回答の中には、仮想化による延命措置や一時的な退避環境としての利用も含まれているものと考えられる。
一方で、2018年後半のリリースが予定されている「Windows Server 2019」のリリースを待つ声も少数だが見られた。
サーバOSを変更する場合、同じ構成でアップグレードすることもできるが、新機能を生かした効率化や従来の運用課題を解消する施策を検討するチャンスでもある。そこで、アンケートでは、サーバ移行と併せて見直しや導入を検討しているものを聞いた。
サーバOSの移行と一緒に検討している項目で多いのは「バックアップやDRの運用プロセスの見直し」(36.4%)や「業務アプリケーションなどのライセンス契約見直し」(29.1%)であった(図1-2)。特に移行時のデータ喪失に備えたバックアップや、サーバ移行後の環境でのバックアップ運用を安定的に稼働させるための運用設計などは情報システム部門としては慎重に行いたい項目であるはずで、サーバ移行時まで十分な余裕をもって計画・実行していくべきだろう。
せっかくサーバの移行を検討するのであればこのタイミングを機会と捉え、仮想化環境を含めた複数システムの効率的な運用や機能強化などインフラ周りにテコ入れしたいと考えるユーザーも少なくないだろう。特にWindows ServerであればMicrosoft Azureの連携を前提とした機能も多く、またAzure Stackのようにオンプレミスにパブリッククラウド同様の環境を提供するハードウェアも用意されている。
そこで何らかの移行計画を検討または実施中の方を対象に「移行先のインフラ」について尋ねたところ「新規に調達した物理サーバ」(44.1%)、「既存の物理サーバ」(32.4%)、「プライベートクラウド基盤への移行(VMware)」(27.5%)と続く結果となった(図2)。
個別サービスで見るとプライベートクラウドでは「Hyper-V」環境よりも「VMware」環境の割合が多く、パブリッククラウドではAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureが1ポイント差とほぼ互角という結果になった。なお、「その他」の回答の中には、「関連する業務アプリケーションごとSaaSに移行する」といった回答もあった。
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