60日分の業務をたった5日に圧縮した実績もあるプロセスマイニング。実際に使う場合はどういう手順でどんな分析を行うのでしょうか。具体例と6つの分析アプローチを紹介します。
第1回ではプロセスマイニングの概要と特長、期待できる効果などの概略を紹介した。「何ができるか」は理解いただけたと思うが、今回は「実際にどう使い、何が変わるか」を想像いただきたい。
そこで本稿は、プロセスマイニングの基本的なアプローチの復習と、先進企業の取り組みを簡単に紹介した後、プロセスマイニングツールの実際の画面や操作方法を概説する。具体的な利用シーンを想像することで「どのように導入できそうか」を具体的にイメージしてほしい。
ハートコア株式会社 Digital Transformation(DX)事業本部 ProcessMining部 シニアマネージャ/データサイエンティスト
マーケティングリサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャーなどを経て現職。専門はマーケティングリサーチ、データ分析、ダイレクトマーケティング、CRM、事業開発。現在は「プロセスマイニング」の導入コンサルティングを行う。
まず、第1回の記事「業務自動化の切り札「プロセスマイニング(Process Mining)」とは何か 」のおさらいを兼ねて、プロセスマイニングにおける課題解決の3つの基本的なアプローチを復習しておこう。
イベントログからプロセスのフロー図を作成することで、実際のプロセスモデル、すなわち「as is プロセス」を発見する。今まで見えなかった現実のプロセスが可視化されると、「実際のプロセスはなんと複雑で、かつさまざまなバリエーションがあるものだ」と驚く方が多い。
イベントログから可視化した「as is プロセス」に、マニュアルや各種法令などで定められる標準プロセスのモデル(=「to be プロセス」)の比較分析を行う。分析の結果、標準プロセスとは異なる手順が行われる「逸脱プロセス」や、コンプライアンス違反のプロセスを特定するなどの「診断」を行うのが適合性評価である。
現実(=「as is プロセス」)と「あるべき姿(=「to be プロセス」)の比較分析を踏まえて、より効率的であったりリードタイム短縮化につながったり、労働時間の削減につながるような、新しいプロセスモデルを生み出す。文字通り、強化されたプロセスを生み出すのが「プロセス強化(Enhancement)」である。
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