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「RPA DIGITAL WORLD 2019 in 名古屋」イベントレポート

» 2019年05月20日 10時00分 公開
[相馬大輔RPA BANK]

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RPA BANK

RPAに関連した国内外のベンダーやユーザーが一堂に会する国内最大規模のイベントで、中京圏では初となる「RPA DIGITAL WORLD 2019 in 名古屋」が2019年2月13日、名古屋市中村区の名古屋コンベンションホールで開催された。

1,032人の来場者が詰めかけた当日の会場から、本記事では実演を交えた解説が好評を博した「ロボットデモセミナー」、そして多彩なソリューションが紹介された「展示ブース」の模様をダイジェストでレポートする。

【ロボットデモセミナー】定番から新顔までツールが勢ぞろい

会場では、RPAツールの操作やロボット作成の方法などを直接見ながら理解できる「ロボットデモセミナー」を4社が開催。各社8回のプログラムは立ち見も出る盛況となった。

ヒューマンリソシア株式会社

2018年12月末現在で国内2,500社が導入するRPAツール「WinActor」の研修プログラムや導入支援サービスを展開しているヒューマンリソシア株式会社のセミナーでは、近年RPAの導入が相次ぐ背景とRPAツールの概要、活用事例について解説があった。

「国内の生産年齢人口が減少するなか、首都圏以上に人手不足が著しい地方では、過重労働を避けながら企業成長の担い手を確保することが急務」と述べた担当者は、具体的な対応策について「PC上での作業のうち、単一のソフトで完結する単純作業は内部の機能で効率化でき、また判断を要する非定型業務ではAIなどの活用が期待される。さらに、複数のアプリケーションにまたがる定型作業ではRPAによる効率化が効果的だ」と説いた。

その上で担当者は、定期的に行う株価の確認や、残業時間の上限に近づいている社員への通知メール送信など、定型業務を肩代わりするロボットの働きぶりを、WinActorによる実演も交えて紹介。社員の労働時間を抑制しながらより高度な業務に集中できるメリットをアピールした。

FPTジャパンホールディングス株式会社

ベトナムを代表するIT企業であるFPTソフトウェアの日本法人、FPTジャパンホールディングス株式会社のセミナーでは、自社開発のRPAツール「akaBot(アカボット)」と、マルチベンダーで対応するRPA運用支援サービスが紹介された。

アカボットは、ロボット化する作業をドラッグアンドドロップの直感的な操作で構成できるRPAツールで、単体のPC上での運用と、サーバーを介した大規模運用の双方に対応。この日テスト版が公開された日本語バージョンは2019年6月からの販売を予定しており、「同等の機能を備えた他社ツールよりも大幅に導入しやすい価格で提供する」(担当者)という。

同社によるRPA運用支援では、日本とベトナムに400人以上を擁するエンジニアがテスト導入から本稼働、保守までをワンストップでサポート。アカボットのほか「UiPath」「BizRobo!」「WinActor」「Blue Prism」などによる大規模運用に対応可能という。担当者は「海外のエンジニアを活用することで開発単価を抑えながら、用途に応じた複数のRPAツールを組み合わせた運用が確立できる」と話していた。

【展示ブース】ロボット化を加速させるソリューションの提案が多彩に

展示ブースでは、RPAツールや導入支援サービスなどを展開する15社が出展。ロボット化への関心が高まる中京圏に最新のソリューションを紹介した。以下ではその中から、3社のブースの模様をピックアップする。

アステリア株式会社

ロボット化の主要なターゲットのひとつである「システム間でのデータ連携」に特化したソフトウエア「ASTERIA Warp」を開発販売するアステリア株式会社は、自社製品とRPAを併用した業務効率化を提案した。

ASTERIA Warpは、RPAツールの台頭以前から定評を確立しているデータ連携の代表的ツール。両者はともにノンプログラミングでデータ連携を実現できる共通点があるものの、業務部門主導での活用が多いRPAに対し、同製品は主にIT部門で活用されており、現場でのロボット化が困難な作業をIT部門が引き継ぐ際に用いられるケースもあるという。

同社の担当者は「RPAを使ったデータ連携では、複数のソフトをまたいで人間が行ってきた複雑な工程をほぼそのままロボットに再現させるが、ASTERIA Warpは主要なオフィスソフトやグループウエア、データベースなどに対応する機能を完備し、よりスムーズなデータ連携が可能」とコメント。「ロボット化に取り組む中で現場から掘り起こされたデータ連携のターゲットを、特化型ツールで確実・容易に捉える手法に理解が進んでいる」と手応えを語っていた。

株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモは、WinActorを採用したRPAソリューションを提案。農家から手書き用紙で受け取る資材注文の入力時間をOCR(光学文字認識)とWinActorの組み合わせで8割削減した、山口県の下関農業協同組合での事例などを紹介した。

WinActorは現在、ツール開発元であるNTTグループの内外で、数多くの販売代理店が導入をサポートしている。NTTドコモのブース担当者によると、同社が提供するRPAソリューションパッケージは

  1. 携帯電話キャリアとして全国を網羅するサポート体制
  2. 場所を選ばないモバイル端末などのソリューションと組み合わせた業務効率化の提案力
  3. 法人顧客を通じて得た幅広い業種・業界への知見で、RPA導入で重要となる業務分析も支援できる点

で優位性をアピールしているという。

株式会社クラウドワークス

クラウドソーシングサイト運営大手の株式会社クラウドワークスは、在宅エンジニアによるRPA導入運用支援サービスを紹介した。

急速な普及に伴ってRPAの運用を担うエンジニアが不足していることを受けて2018年10月に開始しした同サービスは、クラウドワークスに登録しているITエンジニアの中から希望者を募ってRPAツールに関するオンライン講習などを実施。修了者がRPA導入企業のロボット保守業務などをリモートで担当する仕組みだ。

「導入先企業にフルタイムで常駐するRPAエンジニアは採用難が続いており、相当な高額を提示してもすぐ確保できない状況が珍しくないが、育児中などで短時間の在宅勤務を希望するITエンジニアの中には、高いスキルが生かせる場を探っている人も多い」(担当者)。このため月30時間から段階的に拡大可能なリモートワークのプランを設定。企業側・エンジニア側双方のニーズを合致させた。

既にWinActorやBizRobo!、UiPathなどの運用に対応可能なエンジニアが約50人登録しているといい、担当者は「早期に登録者を100人規模まで増やし、RPAユーザーの多様なニーズに応えたい」と話していた。

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