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Slackのbotはどこまで進化した? ユースケースに学ぶ働き方改革のヒント(1/2 ページ)

DeNAやヤフーなどで活用が進むビジネス向けチャットツールのSlack。Slack TechnologiesのCTOが、最新機能を含め、Slackでどのように業務を変えられるのかを力説した。残業時間を半減させた事例もあるという。

» 2019年05月27日 08時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

 先日のIPO申請で話題になった、Slack Technologies(以下、Slack)が提供するビジネス向けチャットプラットフォームの「Slack」。特にIT系エンジニアに人気を博しており、ビジネス部門のユーザーには機能を使いこなすことが難しいイメージもあるが、最近は一般のビジネス部門のコミュニケーションツールとしても浸透しつつある。

 Slackの活用がビジネスや働き方に及ぼす効用とは何か。Slack創業者が幾つかのユースケースを基に、Slackを活用するためのヒントを提供した。

2019年5月9日開催の「Japan IT Week 春」(ビッグサイト)に登壇したSlack Technologies CTO兼共同創業者 カル・ヘンダーソン氏

Slackの発祥は社内ニーズへの対応だった

 「Slack」の開発元であるSlack Technologiesは、もともとTiny Speck(現)としてオンラインゲームの「Glitch」の開発・運営を主にしていた。Slack創業者の1人であるカル・ヘンダーソン氏は、友人とのアイデアの共有の必要性のために、Slackを開発した」として「売れるツールを開発するのではなく、業務に必要なツールを作った」と振り返る。

 ヘンダーソン氏はSlackについて、「テーマに沿って作られたチャンネルを基点に、コミュニケーションとコラボレーションを行うツール」と説明。会話はテーマごとに立てられたチャンネル内に蓄積、整理されているため、情報の再利用がしやすい。新しくプロジェクトに加入したメンバーでも、過去のチャット履歴や共有データを参照すれば今までの経緯を理解できる。「透明性の高い状態で、個人のコミュニケーションを活性化することで組織としての俊敏性が生まれる」とヘンダーソン氏は強調する。

チャンネルを中心にしたコラボレーションとは?

 ヘンダーソン氏が語る「チャンネルを中心にしたコラボレーション」について、Slack Japanの水越将巳氏がデモを交えて説明した。

Slack Japan 水越将巳氏

 Slackのチャンネルは、パブリックチャンネル、プライベートチャンネル、共有チャンネルの3つに大別できる。オープンな会話ができるパブリックチャンネルは、予防接種の案内や新入社員の紹介など、全社で共有したい情報を流す「全社アナウンスチャンネル」として活用できる。一方、限られたメンバーだけで機密性の高い情報のやりとりをしたい場合は「プライベート」チャンネルが便利だ。

 また、顧客、業務委託先やパートナーなど社外メンバーとつながりたい場合は、共有チャンネルが適する。例えば、パートナーと共同イベントを行う際に、共有チャンネル内で必要なディスカッションを行ったり、写真を投稿してフィードバックを受けたり、会議議事録や企画書を共有したりといった活用が有効だ。

 水越氏によれば、これら3つのチャンネルをうまく使い分けながら、社内外の人のコミュニケーションやコラボレーションを活性化できる。

図1 チャンネルを中心にしたSlackのコラボレーション
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