部長も課長も係長もいない会社は日本でも可能なのか。海外の著名なスタートアップをはじめ、ミレニアル世代を先導する成長企業が採用する手法を、純正日本企業が実践したら、どうなるか。
ITサービス企業として多くのITシステム・サービスの企画・開発の実績を持ち、パブリッククラウドのクラウド活用支援サービス「くらまね」などの独自サービスの開発・販売などを手掛ける株式会社ISAO(以下、ISAO)。
技術力を武器に着実にビジネスを成長させてきた同社だが、ここのところ、組織のユニークさで注目を集めつつある。その理由は同社に管理職や役職者が存在しないからだ。「役職ゼロ」「管理職ゼロ」「階層ゼロ」を掲げ、社員全員がフラットな関係性の元で業務を推進する「バリフラット」と呼ぶ組織体制を運用する。
新しい組織運営の方法論として近年注目を集める「ティール組織」や、契約に基づく民主主義の思想を色濃く反映する「ホラクラシー」などの組織論とも異なる、同社独自の組織運営だ。
ISAOは最初からこうしたユニークな組織だったわけではない。経営者が指揮を執り役員や部課長が方針を定め、その意思を各部門やチームが具現化する、あるいは部課長などの責任者を役員や経営者らが束ねるという、よくある日本企業らしい組織だった。組織運営の方法そのものの大方針転換に、同社はどう取り組み、どう実践し、どう定着させているだろうか。
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