前回は、急速に普及するRPAの「導入前の期待と導入後の現実」について整理をした。導入後いまひとつ効果が得られていないと感じているユーザー向けに、導入時の状況を振り返るための「7つのチェックポイント」も用意した。これによって、なぜ導入前に抱いていた期待と現実にギャップがあるのか見えてくるだろう。まだご覧になっていない方は、一度チェックされてはいかがだろうか。
今回はRPAの導入効果を高める4つのポイントについてご紹介する。何事でも成果を出すためには、守らねばならない条件やルールがある。RPAについても同様だ。
RPAは人間が行う定型的な業務を代行する非常に魅力的なソリューションである。従って、ついつい導入を急ぎがちだ。ただ、効果を期待して急いで導入しても「遠回り」になりかねない。まずは、RPA導入の目的をどこに置くのかを明確にすることが肝要だ。特にRPA化するレベルについては、はっきり決めておく必要がある。導入の目的をパターン化すれば大きく次の3つになる。
RPA化の対象が個人の業務になるので、個々の従業員がPCで行っている業務をタスク単位でRPA化し、効率化する。対象タスクについては個人レベルのタスクから洗い出すことになるが、日ごろ手間が掛かっているタスクから選別すれば、比較的容易に決めることが可能だ。このパターンの導入効果はRPA化の対象となる人数とタスク数に比例して増大する。RPAを簡易的に導入してその効果をまずは検証したいユーザー向けのパターンである。
これは多くのユーザーが掲げる一般的なパターンだ。部門であれば「経理部門」、業務であれば「申請関連業務」のようにまずは導入対象を絞ってRPAを導入するパターンを指す。RPA化の対象タスクを洗い出す際は、該当部門における対象業務について業務の流れを整理し、そのフローの中でもどのタスク(作業)をRPA化すると効果が高いのかを検証することが重要だ。この場合、最終的にタスクレベルではなく業務プロセスレベルでのRPA化が実現できるため、導入効果も大きい。また各業務を見直すきっかけにもなるので、業務改善や改革にもつなげられる。本格的にRPAの導入を検討している企業の初回アプローチとしては適切なパターンだ。
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