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» 2019年10月24日 08時00分 公開

名刺管理ツールの利用状況(2019年)/後編

後編は、名刺管理アプリや勤務先で利用する名刺管理システムの便利な点、不便な点、また勤務先での名刺管理にまつわる課題について寄せられた現場の生の声を紹介したい。

[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2019年9月12日〜27日にわたり、「名刺管理ツールの利用状況に関する調査」を実施した。全回答者数97人のうち情報システム部門が37.1%、製造・生産部門が19.6%、営業・販売・営業企画部門が14.5%、経営者・経営企画部門が4.1%などと続く内訳であった。

 今回は企業または個人で名刺管理を行っている方それぞれに対して、利用している名刺管理ツールの「便利な点」「不便な点」を聞き、また全体に対して「企業における名刺管理ツールの課題と要望」についてフリーコメント形式で尋ねた。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

スマホアプリは「OCR認識率の低さ」に不満が集中

 前編では全体の約8割が名刺を個人管理している現状と、名刺管理スマートフォンアプリの利用者が2018年より増加傾向にあることなどに触れた。後編ではスマホアプリで名刺管理するメリット、デメリットや今後の課題などについて紹介したい。

 まず、全体のうち4人に1人が回答した「スマートフォンアプリを使って個人管理している」層に対して、現在利用している名刺管理アプリの「便利だと感じる点」と「不便だと感じる点」を尋ねた。便利だと感じる点は、CSVで一括して情報を書き出しできる点や紛失しても情報が残るなど、データ管理ならではのメリットが挙がった。

 対して、「不便だと感じる点」には、OCR(光学的文字認識)の文字認識制度の低さを指摘する声が多く寄せられた。また、個人のスマホで管理しているため、管理する名刺情報が増えるにつれて容量が必要となる点が挙がった。

便利だと感じる点

  • 万が一、名刺を紛失してもデータとして情報が残る
  • 相手が同じアプリを使用していた場合、情報が更新される
  • 複数枚の名刺情報を同時に取り込める
  • 取り込んだ名刺情報に関連するニュースやトピックスを案内してくれる
  • 管理する名刺データをCSVで一括して吐き出せる
  • 環境が変わっても連絡を取れる

不便だと感じる点

  • 読み取り精度が悪く、正確に記録されない
  • OCRの認識率が低い
  • オプション機能が貧弱
  • データが増えるにつれて相応の容量を確保する必要がある
  • 有料会員登録しないと、本当に便利なサービスは利用できない

有料ツールでも不満、勤務先の名刺管理実態

 続いて全体の15.5%が回答した「会社で導入している名刺管理ツールで管理している」層に対して、勤務先で利用する名刺管理ツールの「便利だと感じる点」と「不便だと感じる点」を尋ねた。

 便利だと感じる点では、他の従業員の名刺情報を参照できる点に多くの声が寄せられた。反対に、不便だと感じる点では、利用料の高さや社内規定によりPCでしか利用できないなどの声が寄せられた。

便利だと感じる点

  • 他の従業員の名刺が参照できる
  • 多数枚あっても複合機で一発で登録できる
  • 案件情報と連携できる
  • 役職や部署変更などの更新情報を得られる

不便だと感じる点

  • 外国語の登録に弱い
  • 利用料が高い
  • 登録作業が面倒に感じる場合がある
  • スマホからの利用を会社の規定で禁止されているため、PCからしか情報を閲覧できない
  • 機能が豊富なため正確に把握できていない

名刺の情報管理だけに意味はあるのか……名刺管理の課題と要望

 最後に、回答者全員に対して「勤務先での名刺管理に対する課題点や要望」を尋ねた。目立ったところでは、名刺情報を管理するだけでは意味がなく、関係性やつながりが重要だという声、それに類する意見が幾つか寄せられた。

  • 各部署に専用のスキャナーを設置するなど、新しい名刺を追加するときにもう少し簡単にできるようにしてほしい
  • 完全に個人管理となっている点。退職者から引き継がれるのが物理名刺のため、名刺の処理に困る
  • 名刺からデータを起こすのではなく、QRコードなどをスキャンすると情報が登録される時代になって欲しい
  • 管理部門がシステムの情報を修正しないため、システムを利用していても正しい情報を入手できずトラブルのもとになっている
  • 上司も一緒に名刺交換した相手の情報を忘れた頃に聞いてくる。情報をデータで共有できたら余計な仕事が減るのでは
  • 名刺管理ソフトは、社員同士の情報共有機能も必要だと思う。ある社員がある企業を検索したとき、すでにあいさつを交わしている社員がいたとしたらその人を通じてアプローチできるため
  • 名刺と顔がひも付かないと、誰が誰だか分からない。名刺だけが管理されていても意味がない
  • 会社管理の場合、どのような仕事でどのように関わったかあるいは問題があったなどの情報も併せて管理したい
  • 仕事は人と人とのつながりであり、名刺情報だけが管理されていても意味がない。1枚の名刺の裏に隠れたつながりの情報の管理こそ重要
  • 統一したルールや方針が無いため、各部署や個人でさまざまな名刺管理のツールが導入されるリスクがある
  • 共有という概念に対する温度差

 前編、後編にわたって名刺管理ツールの利用状況と名刺情報の管理実態について明らかにした。名刺の組織管理についてはまだまだ課題はあるものの、少しづつ組織での情報共有に従業員の意識が寄りつつあるようだ。一方で、組織で情報を共有していたとしても規則やルールの不意整備や他従業員への情報共有方法などに課題は残る。その点は、まだまだ悩みどころとなりそうだ。

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