後編は、名刺管理アプリや勤務先で利用する名刺管理システムの便利な点、不便な点、また勤務先での名刺管理にまつわる課題について寄せられた現場の生の声を紹介したい。
キーマンズネットは2019年9月12日〜27日にわたり、「名刺管理ツールの利用状況に関する調査」を実施した。全回答者数97人のうち情報システム部門が37.1%、製造・生産部門が19.6%、営業・販売・営業企画部門が14.5%、経営者・経営企画部門が4.1%などと続く内訳であった。
今回は企業または個人で名刺管理を行っている方それぞれに対して、利用している名刺管理ツールの「便利な点」「不便な点」を聞き、また全体に対して「企業における名刺管理ツールの課題と要望」についてフリーコメント形式で尋ねた。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
前編では全体の約8割が名刺を個人管理している現状と、名刺管理スマートフォンアプリの利用者が2018年より増加傾向にあることなどに触れた。後編ではスマホアプリで名刺管理するメリット、デメリットや今後の課題などについて紹介したい。
まず、全体のうち4人に1人が回答した「スマートフォンアプリを使って個人管理している」層に対して、現在利用している名刺管理アプリの「便利だと感じる点」と「不便だと感じる点」を尋ねた。便利だと感じる点は、CSVで一括して情報を書き出しできる点や紛失しても情報が残るなど、データ管理ならではのメリットが挙がった。
対して、「不便だと感じる点」には、OCR(光学的文字認識)の文字認識制度の低さを指摘する声が多く寄せられた。また、個人のスマホで管理しているため、管理する名刺情報が増えるにつれて容量が必要となる点が挙がった。
便利だと感じる点
不便だと感じる点
続いて全体の15.5%が回答した「会社で導入している名刺管理ツールで管理している」層に対して、勤務先で利用する名刺管理ツールの「便利だと感じる点」と「不便だと感じる点」を尋ねた。
便利だと感じる点では、他の従業員の名刺情報を参照できる点に多くの声が寄せられた。反対に、不便だと感じる点では、利用料の高さや社内規定によりPCでしか利用できないなどの声が寄せられた。
便利だと感じる点
不便だと感じる点
最後に、回答者全員に対して「勤務先での名刺管理に対する課題点や要望」を尋ねた。目立ったところでは、名刺情報を管理するだけでは意味がなく、関係性やつながりが重要だという声、それに類する意見が幾つか寄せられた。
前編、後編にわたって名刺管理ツールの利用状況と名刺情報の管理実態について明らかにした。名刺の組織管理についてはまだまだ課題はあるものの、少しづつ組織での情報共有に従業員の意識が寄りつつあるようだ。一方で、組織で情報を共有していたとしても規則やルールの不意整備や他従業員への情報共有方法などに課題は残る。その点は、まだまだ悩みどころとなりそうだ。
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