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都内の企業のテレワーク実施率が2.6倍に急拡大、さらなる支援制度拡充策も助成も拡大

東京都内企業のテレワーク実施率が1カ月で倍増した。東京都はさらに助成金制度の予算を拡大してテレワークを推進する。

» 2020年05月20日 11時39分 公開
[キーマンズネット]

 東京都は2020年5月11日、従業員数が30人以上の都内の企業を対象にしたテレワークの導入に関する調査結果を発表した。調査は同年4月に実施したもの。1カ月前の調査と比較すると、都内企業のテレワーク実施が急拡大した状況が明らかになった。業種別ではテレワークが実現しにくいとされた分野でも一定の進ちょくがあった。東京都はさらにテレワーク実施支援策を拡充する計画だ。

テレワーク実施率がたった1カ月で倍以上に

 調査結果によると、テレワークを導入している企業の割合は62.7%で、3月の東京都による調査(24.0%)から2.6倍と大幅に増加した。「今後導入予定あり」と回答した割合は6.1%だった。

2020年4月の都内企業のテレワーク実施率(出典:東京都)

 従業員規模別に見ると、従業員数が多い企業ほど導入率は高くなっていた。従業員数が300人以上の企業に限ると、テレワークを導入している企業の割合は79.4%。従業員数が100〜299人の企業は71.3%、同30〜99人の企業は54.3%だった。ただし、3月調査と比べると、全ての企業規模でテレワーク導入率は1.8〜2.8倍に増えていた。

従業員規模別のテレワーク実施率

現場作業、対人サービス業でのテレワーク率が大幅に改善

 今回の調査では、従来テレワークが難しいとされてきた建設や製造、運輸、小売りなどの業種でテレワーク導入率が大きく改善したことが明らかになっている。また、テレワーク導入企業全体では、社内でのテレワーク利用率も高まっていることが分かった。

 業種別に見ると、情報通信業や金融・保険業、サービス業といった事務や営業職が中心の業種で、テレワーク導入率が高い。具体的には、テレワークを導入している企業の割合は76.2%だった。これに対して、建設業・製造業や運輸・郵便業、医療・福祉、飲食・宿泊業、小売業といった現場作業や対人サービス業務などが中心の業種では、テレワーク導入率は55.0%だった。

実施企業でのテレワーク利用率が5割まで増加

 テレワークを実施している従業員の割合を調べると、平均49.1%。2019年12月に実施した調査(15.7%)と比べると約2.5倍に増加した。

 詳細を見ると、「10割(全員)」と回答した企業の割合は14.8%。これは、12月調査(1.4%)の約10倍。「8割」は20.1%、「6割」は18.1%、「4割」は14.1%、「2割」は8.7%だった。「0」と回答した割合は24.2%で、12月調査(73.2%)と比べると、約3分の1に減った。

まだ出勤せざるを得ない日が残る企業も多い

 一方、2020年4月のテレワーク実施日数は平均12.2日で、就業日数(20日)の約6割をテレワーク実施日が占めた。2019年12月調査の平均1.2日と比べると、テレワーク実施日数は約10倍、2020年3月(平均4.2日)と比べても約3倍に増えた。

 なお東京都では、中小企業のテレワーク導入支援策として実施している事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の募集期間を延長することも明らかにした。助成金の申請受付期間は、2020年6月1日まで。申請書類は郵送で提出する必要があり、締切日必着となっている。

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