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タレントマネジメントと人事管理はどう違う? 5つのサービスを比較

企業にとって永遠の大きなテーマといえる「人材の生かし方」。ビジネス環境が急速に変化する中、注目されているのが「タレントマネジメント」だ。従来型の人事管理手法とどう違うのか? タレントマネジメントシステム5選とともに紹介する。

» 2020年10月19日 17時00分 公開
[キーマンズネット]

 ビジネス環境が大きく変化する中、企業はスピード感を持ってその変化に対応していかなくてはならない。とくに今回のコロナ禍では、企業の変化対応力がより問われる事態となった。想定しづらい状況の変化に対して、柔軟に経営戦略を変更していかなくてはならない。そして経営戦略が変われば、事業に必要な人材も変化し、最適な人材をアサインすることが必須となる。

タレントマネジメントとは?

 そんな時、「自社は社内の人材がそれぞれどんな資質、才能、スキルを持っているかをきちんと把握し、管理している」と自信を持って言えるだろうか?

 これまで人事部のメイン業務と言えば、ともすれば「労務管理」や「給与計算」が中心になりがちだった。しかし、今後は経営とより一体となって、人材の採用、選抜、適切な配置を戦略的に行うことが求められるだろう。

 経営戦略の変更に応じて、迅速にリーダーを選抜し、その能力を生かそうとするならば、前述のような「各個人の資質、才能、スキル(タレント)」についてのデータベースが必要なはずだ。しかし一定規模以上の企業であっても、コアな人事情報以外は、管理職が「Microsoft Excel」などに記入した個人の評価を人事部がまとめて管理しているぐらい、という場合も多いかもしれない。そんな状態で、経営戦略に必要な最適な人材を素早くアサインするのは難しい。 

 今、注目されているのが「タレントマネジメント」だ。それぞれの社員が持っているタレント(資質、才能、スキル)」を“見える化”し、人材配置を戦略的に行えるようにする手法であり、その業務をサポートする各種の「タレントマネジメントシステム」が販売されている。

 タレントマネジメントは、人事部門が経営トップからのオーダーに応えて、最適な人材を提案するための仕組みに生かせるものだ。

タレントマネジメントシステムと従来の人事管理システムとの違いは?

 すでに人事管理システムを導入している企業も多いだろう。しかしその主目的は、労務管理、勤怠管理、給与管理等、人事担当スタッフのコア業務を効率化するもの。つまり、あくまで「人事管理」のためのものだ。

人事担当のコア業務一覧

  • 給与計算
  • 労働時間
  • 人事評価
  • 教育・研修
  • 配置
  • 福利厚生
  • 入社・退社など

 人事管理システムは、社員のデータを網羅的に管理するものだが、中には「採用」「配置配属」「教育」などタレントマネジメントに近い機能を持つものある。

 一方、「タレントマネジメントシステム」は、資質、才能、スキルなどの社員のタレントを一元管理して可視化するもので、経験や資格、研修受講などのデータも含まれる。社員のタレントを確認することによって、経営戦略に沿った人材を迅速にアサインすることが可能になる。つまり、「経営戦略に生かすための人材戦略」を目的としたものだといえる。

 代表的なタレントマネジメントシステムでは、下記の管理項目を持つ。

  • 目標・評価(進捗状況、360度評価等)
  • 社員プロフィール(各種経歴、研修受講歴、資格、人事考課)
  • 人材管理(基本情報)

 前述のように、タレントマネジメントシステムは企業の経営戦略を成功させる目的のツールで、実務の負担を軽減することが主目的ではない。しかしタレントマネジメントの重要性が増すにつれ、人事管理とタレントマネジメント両方の機能を備えたソリューションも登場している。

タレントマネジメントシステム検討時の留意点

 このように、人事部の役割をより強化するタレントマネジメントシステムだが、導入の前に、そもそも「経営戦略はどうなのか?」「その経営戦略を実施するために組織の機能はどうなのか?」などを定義しておく必要があるだろう。

 なぜなら「最適な人材をアサインする」といっても、人間は単なる駒ではなく、一人ずつ違う内面を持つ。システム上では最適な人材に見えても、経営戦略が整わないまま、またはその説明が当人にしっかり理解されないままだと、会社と当人に「ズレ」が生じてしまう。そうするとモチベーションを奪ってしまい、下手すると人材を失いかねない。

 また、タレントマネジメントシステムを運用する時には、人事部以外にも、会社上部の比較的高い年齢のメンバーや、各事業セクションの責任者が入力や閲覧を頻繁に行うことになるだろう。導入しようとするタレントマネジメントシステムが、UI/UXに優れた直感的に分かりやすいシステムかどうかも検討項目に入れておいた方がいいだろう。

従業員管理を支えるタレントマネジメントサービス5選

SAP SuccessFactors

概要

中堅〜大企業向けERPソリューションを提供するSAPが手掛けるSaaS型の人事システム。グローバル人事を想定した機能が豊富。従業員一人一人のパフォーマンス管理や成長支援、後継者育成プログラム支援などのタレントマネジメント機能や従業員エンゲージメント管理機能「SAP Qualtrics Employee Engagement」や従業員ライフサイクル管理「SAP Qualtrics Employee Lifecycle」などを持つ。人事計画向けの機能「SAP SuccessFactors Workforce Analytics」「SAP SuccessFactors Workforce Planning」やコア人事・給与計算機能では従業員管理「SAP SuccessFactors Employee Central」、給与計算「SAP SuccessFactors Employee Central Payroll」、人事ナレッジベース「SAP SuccessFactors Employee Central Service Center」など、多岐にわたる機能がある。

プラン/価格/初期費用

個別見積もり

サービス紹介サイト

https://www.sapjp.com/hr/

提供会社

SAPジャパン株式会社

タレントパレット

タレントパレット タレントパレット

概要

「科学的人事戦略」を実現する人事情報プラットフォームを標ぼうするクラウドタレントマネジメントシステム。従業員データベース、タレント適正管理、評価管理、従業員満足度や360度評価の調査と集計、分析機能、人材配置計画向けのタレント分析やスキルと部門のギャップ分析、キャリアプラン策定、後継者管理など豊富な機能を持つ。

価格/初期費用

個別見積もり

無料トライアル

体験版はWebページから問い合わせ。

サービス紹介サイト

https://www.pa-consul.co.jp/TalentPalette/

提供会社

プラスアルファ・コンサルティング

カオナビ

カオナビ カオナビ

概要

顔写真を軸に目標管理や評価、フィードバックの情報などの人材情報を一元的に管理するクラウド人材システム。100人未満の組織から使える。「人材データベース」の他、社員情報ごとのソートや社員アンケート、組織ツリー、配置バランス図などの機能を持つ。オプションで定期的な従業員サーベイや適性検査、採用支援機能なども提供する。

プラン

人材データベースなどの基本機能のみの「データベースプラン」、従業員パフォーマンス機能が利用できる「パフォーマンスプラン」、組織配置検討などの機能を持つ「ストラテジープラン」の3つ。

価格/初期費用

個別見積もり

サービス紹介サイト

https://www.kaonavi.jp/

提供会社

カオナビ

jinjer人事

jinjer人事 jinjer人事

概要

人事管理の他、給与計算、経費精算、勤怠管理、労務管理、コンディション管理、ワークフロー、雇用契約などの機能も提供するクラウド人材管理システム。プロダクトごとに料金が異なり、導入企業の課題に合わせて複数のプロダクトを組み合わせて利用可能。

価格/初期費用

月額料金:500円/ユーザー、従量課金制

無料トライアル

Webサイトから申し込み。

サービス紹介サイト

https://hcm-jinjer.com/

提供会社

ネオキャリア

HRBrain

概要

人事評価、スキル管理、目標管理などの機能の他、人事制度構築や人材育成計画、従業員エンゲージメントなどの機能も提供するクラウド人材管理システム。導入後は専任のカスタマーサクセス担当がサポートする。

価格/初期費用

月額5万9800円から、利用人数に応じて個別見積もり。オプションやサポート費用などはかからない。

無料トライアル

Webサイトから申し込み。簡単な説明を受けた後、14日間のトライアル可能。

サービス紹介サイト

https://www.hrbrain.jp/

提供会社

HRBrain

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