IBMは、プロセスマイニングソフトウェアを手がけるイタリアのmyInvenioを買収することで同社と最終合意した。買収が完了し次第、IBMはmyInvenioの機能を、IBM Cloud Pak for Business AutomationなどのIBMの自動化ツール群に統合する。その狙いとは。
日本IBMは2021年4月19日、IBMが、プロセスマイニングソフトウェアを提供するイタリアのmyInvenioを買収することで同社と最終合意したと発表した。買収金額は非公表。この買収によってIBMは、ビジネスプロセスをデータに基づいて特定するソフトウェアや、AIを活用してビジネスを自動化するソリューションを提供する。
IBMはmyInvenioを、OEM契約に基づいて買収する。買収が完了し次第、IBMはmyInvenioの機能を、「IBM Cloud Pak for Business Automation」などのIBMの自動化ツール群に統合する予定だ。IBMでは、2021年第2四半期内には買収が完了する見込みだとしている。この買収によって、IBMの自動化ツール群で何が可能になるのか。
プロセスマイニングとは、ERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)といった各種アプリケーションのイベントログを分析することで、業務プロセスの問題点を発見し、改善する手法だ。myInvenioのソフトウェアは、業務上の非効率的な点や、障害、自動化可能な点を明らかにすることで、企業の運営コストを削減し、顧客サービスを向上させる。
自動化のシミュレーション機能を備えており、自動化を進める前にその利点や効果を測定できる。RPA(Robotic Process Automation)やAIを活用した自動化ツールをどこに応用すればビジネスに最大の効果をもたらすかを見極めるのに役立つとしている。
今回のIBMによる買収は、AIを活用したビジネスの自動化機能をワンストップで提供するという同社の方針の一環だ。こうした自動化機能には、プロセスマイニングをはじめ、WDG Automationから買収したRPA、文書処理、ワークフロー、意思決定などを含む。これらの機能はIBM Cloud Pak for Business Automationと統合され、「Red Hat OpenShift」を基盤にすることでどこでも実行可能で、全社規模での自動化を可能にするとしている。
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