生産年齢人口の減少や基幹産業を担う大企業の撤退、長引く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応などにより、危機的な状況に陥りつつある地域経済。パンデミックでDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだように、地方企業においても、DXを推進し、業務の効率化や生産性と売り上げの向上が強く求められる。
地域経済の支援に向けて、サイボウズは地方銀行と協力して「地域経済のDX」を進めているところだ。サイボウズはなぜ地方銀行と組んだのか。またどのようなスキームを実行し、地域企業を救済しようというのか。
DXを推進するためにはデジタルツールの活用がポイントになるが、地方企業では、ITの活用が進んでいない現実がある。こうした状況に対して、グループウェアや業務改善プラットフォームを提供するサイボウズが取り組んでいるのが、地方銀行とタッグを組んで地方企業のDXを支援する「地域経済DX」の推進だ。サイボウズの渡邉 光氏(営業本部 パートナー第3営業部 部長)はこう話す。
「三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、中小企業のIT化が遅れている要因は、IT導入の費用対効果が見えずコストを懸念していること、従業員のスキルやノウハウ不足で取り組みを進められないことが挙げられます。注目したいのは、適切なアドバイザーがいないこと』が挙げられている点です。そもそもIT導入に必要な情報が入手困難な状況にあります」(渡邉氏)
そこで、地方企業の「適切なアドバイザー」として期待されるのが地方銀行だ。資金面で企業をサポートする存在でもある地方銀行は、ITの相談役でもある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、地元のITメーカーや地元以外のITメーカーなどに続いて、地方銀行は4番目の相談先に位置付けられている。
「地方銀行がITベンダーと企業のマッチングを支援することで、ビジネスをサポートするケースがあります。ただ、企業の状況や規模によってミスマッチが起こることもあります。そこで、われわれが取り組んでいるのが、金融機関が重視している要素をビジネスに生かし、新たなサービス展開をするというスキームです」(渡邉氏)
サイボウズが地方銀行と組んで地方企業に堤供するこの新しいスキームは、どのようなものか。
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