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「RPAを諦めなくていい」――Macでも動くマルチプラットフォームRPA「HeartCore Robo」

» 2019年01月24日 10時00分 公開
[相馬大輔RPA BANK]

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RPA BANK

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を検討したものの、業務に使用しているOSやブラウザ、デバイスなどの制約が壁となって、導入を見送ってしまった企業もあるのではないだろうか?

CMS市場において日本一のシェアを誇るハートコア株式会社では、新たな事業の柱の1つとして2018年よりRPA製品の提供を開始している。同社のRPA製品「HeartCore Robo」は、Javaベースで作られており、Windowsだけでなく、MacやLinuxなどプラットフォームを選ばないのが最大の特徴である。

さらに同社では、RPA化を支援する強力なプロセスマイニングツール、業務可視化ツールもラインア

ップ。プロセスマイニングツール、業務可視化ツールの活用により、大幅な業務効率化が可能になるという。

「HeartCore Robo」の製品特徴と開発の背景について、同社のファウンダー 兼 代表取締役社長/CEOの神野純孝氏に話を聞いた。

■記事内目次

目次

1. 「RPAを諦めなくていい」マルチプラットフォーム、マルチデバイスのRPAとは

2. スムーズなロボット管理を実現する専用ダッシュボード「ロボット管理ポータル(RAP)」

3. ロボット化するべき業務を見つけ出す強力な相棒、「CICERO」と「myInvenio」


「RPAを諦めなくていい」マルチプラットフォーム、マルチデバイスのRPAとは

──ハートコアの事業概要と、RPA製品を取り扱うようになった経緯についてお聞かせください。

2009年に創業した当社は、もともとCMS(コンテンツ管理システム)/CMX(カスタマーエクスペリエンス管理システム)事業で成長を遂げてきました。商用CMS国内市場では日本一のシェアをいただいており、既に日本国内では510社を超えるお客様に当社のCMS/CXM製品「HeartCore CMS/CXM」が導入されています。

そして昨年、CMS/CXSに加えて、新たに二つの事業を大きな柱として創出しました。まず一つが、iPhoneを始めとするApple製品では、Cookieの利用に大きな制限がかかっているなか、世界で唯一CookieがなくてもWebサイトユーザーを100%判別できる、「HeartCore ビスケット」。そしてもう一つの事業が、世界でも珍しい、Macでも動作するユニークなRPA製品、HeartCore Robo」です。

──HeartCore Roboの特徴はどういったところにあるのでしょうか。

第一に、真の意味でマルチプラットフォーム、マルチデバイスに対応しており、動作環境を気にせず利用できる点が挙げられます。他のRPAツールの場合、Windowsでしか動かずMacやLinuxでは使えなかったり、働き方改革の盛り上がりなどから最近ニーズが高まっているスマートフォンでも動作しなかったり、さらには使用できるブラウザにも大きな制限があったりと、利用できる動作環境が非常に限られています。

対してHeartCore Roboであれば、Windowsは7,8,81.10 Server 2008,2012,2016の歴代バージョン、その他Mac OSにLinux、さらにはAS400、AIX、HP-UX, Solarisと、あらゆるプラットフォームで利用できます。

ブラウザについても、IE、Edge、Chrome、Safari、Firefox、Operaなどに対応しており、種類もバージョンも問いません。さらに、Flashで作られたアプリやWebシステムにも対応しています。

実際、HeartCore Roboをご利用いただいているお客様には、全社的にMacを導入していたり、業務システムをAS400で構築していたりなど、HeartCore Roboに出会うまではRPA化は諦めるしかなかったという企業が非常に多いですね。

──なぜそこまでのマルチプラットフォーム対応を実現できるのでしょうか。

それは、HeartCore RoboがJavaというプログラミング言語をベースに作られているRPAであるためです。多くのRPA製品はWindows環境でネイティブなアプリとして動くようにつくられているため、動作環境もWindowsに限定されるとともに、対応するブラウザも限られてしまうのが現状です。

いっぽう、このJavaの実行環境というのはプラットフォームに依存しませんので、その特性がそのままHeartCore Roboに当てはまるわけです。

またHeartCore Roboはクライアント型RPAではありますが、環境を仮想化する設定を統合的に行える「オーケストレーション機能」を用いることで、サーバーでの運用管理も可能になります。

社内にHeartCore Roboが入っていない端末があっても利用可能で、後にお話しするようにExcelのファイルを直接扱うことができるため、Excelなどのアプリケーションがインストールされていなくても、ファイルの編集を直接行うことが可能になります。

スムーズなロボット管理を実現する専用ダッシュボード「ロボット管理ポータル(RAP)」

――Javaでロボットを作るということは、その開発や運用は情報システム部門が中心になるのが適切でしょうか。

ある程度規模が大きな企業で、情報システム部門にJavaによる開発経験のある技術者を抱えている場合は、開発効率の点から情報システム部門がロボットを開発するのが良いと言えるでしょう。

ただし、技術者は個別の業務内容に習熟しているわけではないので、RPAの対象となる業務プロセスの可視化にあたっては、業務部門の協力が不可欠になります。そして開発後、ロボットの管理を行っていく運用の際にも、業務部門で稼働状況の確認やスケジューリングなど行うことが必要になってくるでしょう。そこで、HeartCore Roboでは業務部門の方でも管理しやすい「ロボット管理ポータル(Robot Automation Portal/RAP)」を提供しています。

──ロボット管理ポータルでは、各ロボットの管理をどのように行うのでしょうか。

ロボットの稼働状況の監視、スケジューリング、プロジェクトの統計、レポート作成など、RPA管理担当者の基本業務の大半を、このダッシュボード化した管理ポータルの画面からリモートで行えます。

──他にはどういった強みがありますか。

Excelの処理が非常に高速です。これは先ほどお伝えしたように、Excelを起動せずに、エクセル用の拡張子XLSのファイルを直接読み書きできるためです。

Microsoft Officeがインストールされていなくても問題なく動作し、仮に100万行以上もの大容量のXSLファイルであっても、非常に短時間で処理が完了してしまいます。

そして、操作対象の認識の多様さも他にはない強みと言えるでしょう。独自のエンジンによる画像解析により、画像認識の精度が高いだけでなく、画像に若干の違いがあったとしても同じものと見なす柔軟さも兼ね備えているため、実用的な確度の範囲では動作が止まらないシステムとなっています。

社員が帰宅した後のPCの空き時間を利用してロボットに仕事をさせたような場合、他のRPAツールでは翌朝出社して様子を見たら止まっていてがっかり、といったことも起きがちですが、HeartCore Roboであればそうした事態も起こりにくいのです。

さらに、実行ライセンス込みの開発ライセンスの料金が、月額49,800円というコストの低さも特筆に値するのではないかと自負しています。

──実際にHeartCore Roboを活用して効果を上げている事例をご紹介ください。

大手の建設技術者派遣企業では外部含め10,000名程度の技術者の人事・スキルデータ管理業務をRPA化しています。データベースソフトウェアFileMaker上で技術者のスキルや派遣履歴を管理する際にExcelのファイルからデータ加工してFileMakerへ入力したり、逆にFileMaker上にあるデータを加工して人事システムへ入力したりといった作業を自動化した事例です。

また、大手食品メーカーではFileMakerによる生産管理システムとBIツールの連携業務をRPA化しています。ビジネスインテリジェンス(BI)ツールへの生産管理システムのデータ取り込みと、BIツールのデスクトップ環境からオンライン環境へのデータパブリッシュを自動化した例ですが、これも環境を問わないマルチプラットフォーム対応のHeartCore Roboならではの事例といえるでしょう。

また当社でも、HeartCore Roboによりどれだけ業務効率を上げられるか検証すべく、見積・請求書発行業務に活用してみました。すると、従来270時間かかっていた業務が60時間にまで削減でき、しかもミスもゼロにできたという結果になりました。

ロボット化するべき業務を見つけ出す強力な相棒「myInvenio」と「CICERO」

──今後、RPA事業をどのように展開していく予定ですか。

引き続き、RPA製品であるHeartCore Roboの利用拡大を図っていくのと合わせて、RPA化に向けた業務プロセス可視化ツールである「CICERO(シセロ)」と「myInvenio(マイインベニオ)」にもさらに注力していきたいと考えています。

CICEROとは、世界で唯一のすべての業務を可視化できるツールです。営業支援システム(SFA)からExcelデータを引き出してERP システムに適用するといった業務があった場合、システムごとに分断することなくすべての過程を可視化することができるのです。

これを活用することで、RPA化に適した業務が見つけやすくなるだけでなく、実際に自動化してみてどのぐらいの業務効率化が実現できたのかが、小数点までの正確な数字で確認することが可能になります。

myInvenioも同様に業務可視化が可能ですが、RPAに続いて、今後大きな注目を集めていくであろう「プロセスマイニング」を代表する優れたツールです。こちらは、ERP、会計システムなど、それぞれのシステムから取得するイベントデータから業務プロセスを対象に可視化を行うことができます。

CICEROやmyInvenioは、ユーザー企業が自分たちの力でRPAを導入するパターン、もしくはコンサルティング会社の協力のもとRPA導入するパターンのどちらでも大きな力を発揮します。

なお、業務プロセスを可視化し、プロセスにおけるボトルネックを解消したり、業務自動化に適したプロセスを発見できたとして、最終的に選択されるRPAツールがHeartCore Roboであるかどうかにはまったくこだわっていません。その企業にとって、最も効果的にRPAを活用して業務効率化を実現することこそが、私達の願いなのですから。

「HeartCore Robo」は、ハートコア株式会社の登録商標です。

「CICERO」は、Cicero Inc.の登録商標です。

「MyInvenio」は、Cognitive Technology Ltdの登録商標です。

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