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» 2021年09月30日 13時00分 公開

「Power Automate」はここを押さえて 扱いやすいデータ形式と望ましい運用体制

Web APIを使って外部サービスなどと連携させる場合、まず考えるべきことは「どのデータ形式での受け渡しが最適か」だ。CSV、XML、JSONが代表的な形式だが、Power Automateで扱いやすいデータ形式はどれか。

[大川貴志,内田洋行ITソリューションズ]

 前回は「Microsoft Power Automate」でWeb APIを利用するためのHTTPアクション、カスタムコネクター、そしてオンプレミスの資産を利用するために必要なオンプレミスデータゲートウェイの使い方について説明しました。最終回となる今回はデータの取り扱い方法とPower Automateの運用、構成、体制づくりについて解説します。環境などによって最適な構成が異なる可能性があるため、あらかじめご了承ください。

著者プロフィール:大川貴志(内田洋行ITソリューションズ)

2011年、内田洋行ITソリューションズに入社。システム開発本部 ATD 技術推進課所属。「Microsoft Graph」を用いた社内システムの改善や、「Microsoft Azure」のPaaSを活用した各種ソリューションの設計、構築、開発を担当する。主な役割は、新技術の検証や新規サービスの開発、Azure導入のサポートなど。「Microsoft MVP Office Development」「Microsoft Certified Azure Developer Associate」「Certified ScrumMaster」「JDLA Deep Learning for GENERAL 2019#2」「MCSA: Web Applications」「MCSD: App Builder」を受賞。

CSV、XML、JSON、Power Automateで扱いやすいのは?

 Power Automateの中心はなんといってもデータです。代表的な3つのデータ形式「CSV」「XML」「JSON」について説明します。

 データ形式として定番の「CSV」は古くから活躍し、今ではCSV形式でデータを出力できるシステムは多数存在します。その後「XML」や「JSON」といったフォーマットが登場し、Web APIの通信で用いられるようになりました。この3つの中でPower Automateで一番取り扱いやすいデータ形式はJSONでしょう。次点でXML、そしてCSVの順です。

 CSVの難点はパターンの数です。ヘッダ情報の有無やダブルクォーテーションの有無、改行の取り扱い、エスケープの取り扱い、さらにCSVの国際標準規格の「RFC 4180」(※1)を満たしていないパターンもあり、一つの種類ならまだしも、複数パターンあるCSVの情報解析をPower Automateで組み立てるのはかなりしんどい作業です。

 複雑なCSV変換処理をする場合、下図のようにCSVを受け取りJSONで返す汎用(はんよう)的なWeb APIを使用するフローにした方がいいでしょう。CSVは比較的取り扱いにくいデータ形式と著者は考えます。

図 難しいCSV変換の場合に採りたい構成(出典:筆者作成の資料)

 次点でXMLですが、著者としてはXMLの構造解析で使用するXPathを利用するよりは、可能であれば式関数(※2)でJSONに変換をした方が良いと考えます。全てのケースでとは言い切れませんが、できればXMLのままで使用しない方がいいでしょう。「昔のWebアプリケーションだからXMLでのやりとりが必要」という状況などでなければ、積極的に使用しない方がいいと考えます。

 JSONについてはPower Automateで解析などJSON専用のアクションが用意されていることもあり、Power Automateでは取り扱いやすいデータ形式です。最近のサービスで提供されるWeb APIはJSONがベースで、第1候補としてJSONを利用すれば間違いないでしょう。データが来たら「まずJSONに変換してみる」と考えるのが有効です。

式関数とは

 式関数にどのようなものが存在するかを把握しておいて損はありません。フローで頑張って組み立てたものが実は式関数で簡単に実現できた、といったケースもよくあることです。

 「値比較のためにtoLowerを使用する」「データベースのchar型などの空白が含まれる固定長の型にtrimを使用する」「配列データからfirstやlastで先頭/末尾データを取り出す」などさまざまなことができるため、ドキュメントを見て何ができるか把握しておくことをお勧めします。

Power Automateでの構成づくりで押さえるべき点

 次はPower Automateの内部、周辺環境を含めた構成についてです。フローができたら終わりではありません。ビジネスが目まぐるしく変化するこの時代、今後を考えると機能の改善や追加がしやすい構成にしておくにこしたことはありません。Power Automateを運用しやすい構成はいったいどのようなものでしょうか。

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