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» 2021年11月04日 07時00分 公開

RPA離脱企業はここでハマった 「業務自動化しくじり企業」から学ぶ次善策

2016年から2018年にかけて徐々に利用が広がり、最近ではハイパーオートメーション分野での活躍も期待されるRPA。組織活用、スケールは一朝一夕ではかなわない。中にはRPA導入を途中で断念せざるを得ない企業もある。そうした“しくじり企業”はどこでつまづいたのか。

[キーマンズネット]

 2020年には幻滅期の底を脱して普及期に移ったとされるRPA(Robotic Process Automation)。今後はAI(人工知能)などとのテクノロジーを組み合わせた「ハイパーオートメーション」分野でのさらなる需要拡大が期待される。

 本連載(全5回)では“RPA活用の現在地”を探るため、キーマンズネット編集部が実施したアンケート調査(2021年9月16日〜10月8日、有効回答数378件)を基に、RPAの導入状況と社内各部署への展開状況、問題点や得られた成果など、RPA活用の実態を分析する。第1回となる本稿では、RPAの導入、展開状況を概観するとともに、RPAのトライアル導入、本格導入を果たした企業が経験した障壁や、RPAの導入を断念した理由などを紹介する。

 回答者の所属部門は「情報システム部門」(33.9%)、「製造・生産部門」(13.2%)、「営業販売部門」(11.1%)、「総務・人事部門」(5.6%)と続く内訳であった。なお、グラフで使用している数値は、丸め誤差によって合計が100%にならない場合があるため、ご了承いただきたい。

2020年よりもRPAのトライアル減、本格展開は伸び

 RPAの導入効果を示す一つの指標となるのが「削減時間」だ。組織に存在する人手が掛かる単純作業や時間を要する定型業務をあぶり出し、いかに適用範囲をスケールさせられるかがRPA導入効果最大化のポイントとなる。

 まず、RPAによって省人力化できる業務が組織にどれほどあるのか、また組織がどれほどの手間を抱えているのかを把握するために、回答者に勤務先で繰り返し作業や定型業務がどの程度存在するのかを感覚値での回答を求めたところ、「ごく一部存在する」(47.1%)、「業務の半分くらいを占める」(41.3%)、「ほとんどない」(6.6%)となった(図1)。

図1 勤務先で繰り返し作業や定型業務はどの程度あるか(n=378)

 2020年の同調査結果と比較すると、前回は「業務の半分くらいを占める」が37.2%で4.1ポイント増、「ごく一部存在する」が29.2%で17.9ポイント増となり、今回の調査でこの2項目の順位が逆転する結果となった。

 続いて、RPAの導入および展開状況を尋ねた結果、前回12.6%だった「トライアル実施中」が今回は11.6%に、「本格展開中」は21.3%から30.2%に、「本格展開完了」は6.3%から9.8%となり、トライアルで展開イメージをつかんだ企業が展開に移り、展開中だった企業が展開完了に進んだ割合が増えたと推測できる。また、「現在、導入しておらず、今後も導入する予定はない」は13.0%で、前回の17.3%から4.3ポイント減少した(図2)。

図2 勤務先でのRPAの導入状況(n=378)

費用、トップの理解、人材問題、何が“RPA離脱”を招くのか?

 RPAへの理解や活用イメージがつかめず導入に足踏みする企業が一定数存在する中で、まだ著しい伸びとは言えないもののRPAの展開を着実に進めている企業も増えてきている。そうした“RPA先行企業”も全てが順調というわけではなく、何らかの悩みや問題を抱えているはずだ。RPAのトライアルから本格展開に至るまでに、どんな障壁に突き当たりがちなのか。次の項目で、RPA先行企業が抱える悩みの正体を考察する。

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