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» 2022年03月30日 07時00分 公開

なぜ2桁以上の成長率を持続するのか 国内情報セキュリティソフトウェア市場動向

クラウド活用が進む企業において、これまで以上にセキュアな環境づくりが必要となっている。今回は、セキュアな環境づくりに欠かせない国内情報セキュリティソフトウェア市場の動向について見ていきたい。

[赤間 健一,IDC Japan]

アナリストプロフィール

赤間 健一(Kenichi Akama):ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネジャー

セキュリティ分野の担当アナリストとして、国内情報セキュリティ/サイバーセキュリティ市場分野の調査を担当。ICT業界において、セキュリティ製品/サービスのテクニカルサポート、プリセールス、プロジェクトマネジメント等の経験を持ち、サービスプロバイダーや通信キャリアとの協業によるセキュリティサービスビジネスの創出や、セキュリティ啓蒙活動など16年にわたり幅広く経験している。


国内情報セキュリティソフトウェア市場の概況

 今回調査した国内情報セキュリティソフトウェア市場においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴って働き方およびDX(デジタルトランスフォーメーション)含めた企業ビジネスの多様化が進み、ITの環境が大きく様変わりした。その環境に合わせてセキュリティも従来とは異なるアプローチが求められ、セキュリティ市場全体は拡大傾向にある。

 2021年の同市場は、前年比成長率14.8%の3585億3800万円になると予測しており、なかでもSaaS(Software as a Service)型情報セキュリティソフトウェアに関しては、前年比成長率21.4%と高い伸びになると見ている。2025年までの傾向でも、COVID-19後のハイブリッドワークの浸透など、国内情報セキュリティソフトウェア市場の拡大は今後も継続すると見ており、2020〜2025年のCAGR(Compound Average Growth Rate:年間平均成長率)は10.5%と予測、SaaSだけで見ればCAGR 14.4%の高い成長率になると予測する。なお、SaaSで高い伸びを示しているのは、アイデンティティー/デジタルトラストソフトウェアの領域と共に、サイバーセキュリティ分析/インテリジェンス/レスポンス/オーケストレーションのセグメントだ。

国内情報セキュリティソフトウェア市場予測 2019〜2025年

脱VPNの動きやクラウドプロキシ移行 各セグメントの注目動向

 全体でも2桁の成長率に達すると予測する背景にあるのが、SaaSを中心としたクラウドセキュリティの成長だ。以降では、「IDaaSを中心としたSaaSが急伸」「プロキシのクラウド移行で加速、SASEとしての展開」「SIEMやSOARなど運用負荷軽減ソリューション」といったトピックを取り上げ、セグメントごとの動向を概説する。

IDaaSを中心としたSaaSが急伸

 今回の領域において最も注目しているのは、アイデンティティー/デジタルトラストソフトウェア領域で、CAGRとしては最も高く、2021年度については前年比成長率で19.6%、2025年までは12.6%になると予測している。なかでもIDaaSを中心としたSaaSの伸びが高い分野となっており、CAGRでも23.5%に達する部分だ。クラウドシフトによって、これまで十分でなかったアイデンティティー周りに投資する企業が増えていくと見ている。

 特にテレワークが浸透するなか、VPN経由では接続後に全ての環境にアクセスできてしまうと懸念され、脱VPNの動きも加速しつつある。そこで、アクセスごとで認証認可を強化するために、ZscalerのようなSWG(Secure Web Gateway)などゼロトラスト関連のソリューションとともに、アイデンティティー/デジタルトラストソフトウェアを導入する企業は増えてくることだろう。特にIDaaSに関しては、Azure ADを持つMicrosoftや、Okta、HENNGEなどが注目されるところだ。

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