「カメラが壊れているので、音声だけで失礼します」――。オンライン取材で、よく耳にするフレーズだ。心の中では“ほんとに壊れているの?”と懐疑的な気持ちになってしまうのは、なんとなくウソをつかれている気がするからなのか……。
個人的には、Web会議で映像を出さない理由をはっきり語ってくれた方がすがすがしい。例えば社内会議などでは「今日は化粧してないので、カメラオフでお願いします」なんていうケースもよくある。普段化粧をしない髭面の男である筆者は、化粧に掛かる労力とその効果をてんびんにかけることは難しいが、カメラをオフにするというだけでその手間が軽減できるのは大きなことだろう。
IT的な事情では「自宅のネットワークが細いので、音声だけでいいですか」と、家庭のネットワーク事情が垣間見える場面も。取材対象者が子育て世代の場合は、黒塗りの画面から子供の泣き声が聞こえることもあり、あやしながら会議に参加している姿を想像して少しほほえましくなるのは私だけではないはずだ。先日は同僚から「深酒して顔がパンパンなので、映像は勘弁して」と顔出しを拒否された。深酒する理由について非常に興味をそそられたが、いずれにせよカメラをオフにする理由は千差万別だ。
先日とある企業を取材した際、社内ミーティングや顧客との打ち合わせなどでWeb会議をする時、「かつて、『カメラを全てオフにすること』が運用ルールとして決められていた」というこぼれ話を耳にした。個人の事情でカメラをオフにすることはあっても、全社的にオフにするという運用は珍しい。取材後に、カメラの使用を制限していた理由について聞いてみた。
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