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“自動的に”故障する「MacBook Air」に大激怒:676th Lap

「MacBook Air」と言えば、2022年7月15日にM2チップを搭載した新型モデルが話題だが、2021年に発売されたモデルには注意が必要だ。なんと、“何もしなくても”故障したとの報告が多数寄せられているという。Appleは今回も「欠陥ではない」としらを切るのだろうか。

» 2022年09月02日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

 2022年7月15日、Appleは新型「MacBook Air」の販売を始めた。Appleが独自開発した「M2チップ」をメインプロセッサに搭載したマシンだ。MacBook Airシリーズは、薄型フォルムで軽量と、MacBookのラインアップの中でも可搬性の高いモデルとして人気を博している。

 しかし、そんなMacBook Airに大変な問題が見つかり、大きな議論を呼んでいる。それもそのはず、問題となっているのは“何もしなくても”ある部分が故障してしまうという現象だ。被害者から寄せられた声を基に、真相を考察しよう。

 物議を醸している問題は、2021年に発売された前モデル「M1 MacBook Air」で発生したものだ。しかもこの問題は1年前に既に発覚していたという。

 その問題とは「液晶画面が割れる」というもの。「ノートPCの液晶パネルなんて、ぶつけたり落としたりしたら簡単に割れるだろう」と思うかもしれない。しかし、“何もしなくても”液晶が割れてしまうから大きな問題になったのだ。2020年11月に発売された先代のMacBook Airには、2021年5月辺りから「液晶が割れた」との報告が上がっていた。Mac系Webメディア「9to5Mac」も、2021年7月30日に公開した記事でそのことを指摘した。

 使い終わってMacBook Airをパタンと閉じ、しばらくして開いたら液晶が割れていたという現象が多発したという。その中にはMacBook Airを持ち運ばずその場で使っていたユーザーも多く、まさに「自然に割れた」と言うしかない現象だ。ヒビが入った液晶画面は、もう何も表示できない状態になる。

 識者によれば、液晶周りのベゼル部分の設計に難があり、液晶を指先で開け閉めすることでベゼルに負荷がかかったときの作用で液晶パネルが破壊されるとの分析だ。

 その被害に遭ったユーザーの一人が2021年5月にAppleのサポート掲示板「Apple Support Community」にその問題を投稿した。すると、「自然に液晶が割れた」というユーザーから数多の声が寄せられる事態になった。しかし、Appleは「ユーザーの扱いが悪いために液晶が壊れる、あくまで自己責任である」と主張した。液晶パネルの交換は多くが有償対応となり、ユーザーが代金を全額負担する必要があった。

 今頃になって話題になったのは、2022年8月の半ばに、Tech系ソーシャルニュースサイト「Hacker News」にApple Support Communityの当該スレッドのURLが貼り付けられたことが理由のようだ。そして、そのスレッドに真っ先に書き込んだユーザーが「自分のMacBook Proも原因なく液晶が割れ、修理するのに809ドルを支払った。この件についてすでに集団訴訟が起こされていて、私も協力している」と書き込んだ。

 すると「自分も壊れた」「私も有償修理が必要になった」などの声が400件以上も寄せられた。しかもApple Support Communityの当該スレッドはいつの間にか消去されたようで、貼り付けられたリンク先が「404 Not Found」になってしまった。しかし、苦情は止まらなかった。

 確かに2021年9月14日付で、MacBook Airをはじめ、各MacBookシリーズの液晶が勝手に割れる現象について書状が作られており、そこへの参加を募る法律事務所のWebページも公開されている。同様の被害に遭ったユーザーたちはHacker Newsのスレッドでそれを知り、大いに盛り上がった。ちなみに、すでに見ることのできないApple Support Communityの当該スレッドについても、訴状内に収録されている。

 実は過去に、2015〜2019年に発売されたMacBook AirおよびMacBook Proに対して集団訴訟が起きたことがあった。訴訟の内容は、当該モデルに採用された「バタフライ機構を採用したキーボード」にごみやホコリが入って故障しやすいというもので、結果的にAppleは5000万ドルもの和解金を支払うことで合意した。

 しかし、Appleはこのバタフライキーボードの問題について「決して欠陥ではない」と主張した。今回の「何もしなくても液晶が割れる現象」に対する集団訴訟についても「製品の欠陥ではない」と主張するかもしれない。

 果たして「勝手に液晶割れ現象」についてAppleは和解金を払うのだろうか。この集団訴訟は多くの耳目を集めそうだ。


上司X

上司X: MacBook Airの液晶パネルが何もしないのに割れちゃう、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: 割れちゃう話についてはしばらく前から出ていたんですよね?


上司X

上司X: そうらしいな。


ブラックピット

ブラックピット: 僕のMacBook Airは平気みたいですけどね。あんまり使っていませんけど。


上司X

上司X: もちろん、必ず割れるわけじゃないからな。


ブラックピット

ブラックピット: そういえば、最近発売されたM2 MacBook Airって、2021年のM1 MacBook Airに比べると武骨になっていますよね。


上司X

上司X: ああ。MacBook Airは初代モデルから、キーボードの手前と液晶上部に向けて薄くなっている「エッジスタイル」のデザインを踏襲してきたのだけどな。それが変更されたようだ。


ブラックピット

ブラックピット: これじゃあ普通のMacBookと変わらないですよ。このデザイン変更ってやっぱり普通の開け閉め操作で液晶が割れちゃうことが原因なのでは……?


上司X

上司X: まあ、キミがそうして怪しむのは自由だが、結局のところ真相はどうなんだろうなあ。MacBook Airの大きな特徴が失われたのは残念だけどな。でも、すぐに壊れちゃうよりはいいんじゃないの? 今後はそういう問題が起こらなければいいが。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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