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地味に使える「Microsoft 365」の最新機能と終わるサポート一覧

2022年8月期に実装済みの機能と9月以降に実装予定の機能、そして今後終了予定のサポートの先取り情報を紹介する。

» 2022年09月21日 07時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]

 スイートサービス「Microsoft 365」の2022年8月期アップデートでは、ユーザーインタフェースの変更など大きな更新が幾つかあった。本稿では、特に確認しておきたい6アプリの最新アップデート情報をまとめてお伝えする。また、9月以降に実装予定の機能と終了するサポートについても先取り情報をお届けする。

本稿は、内田洋行の太田浩史氏によるオンラインセミナー「聞きたい!知りたい!おさえたい!今月のMicrosoft 365アップデート」(主催:内田洋行)での講演内容を基に編集部で再構成した。

今回のTeamsアップデートの目玉はどれ?

 まずは、2022年8月期に実装済みのTeamsの新機能を振り返る。

Microsoft Teams(1):会議中の共有コンテンツの別窓表示

 会議中に他の参加者から共有されたコンテンツを別ウィンドウで表示可能になった。会議中に「ポップアウト」をクリックすることで、共有ウィンドウだけが別ウィンドウ表示されるので、自由に移動して自分の見やすい位置に配置できる。また「F1」キーを押下することで全画面に表示することも可能だ。会議室などでの外部モニターに共有画面のみを表示する際に便利な機能だ。

共有コンテンツを独立したウィンドウで表示できる(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Teams(2):会議中の Polls に「評価」の回答形式が追加

 会議中に利用できる簡易アンケートアプリ「Polls」の回答形式に「評価」が選択可能になった。会議参加者の意見を5段階で把握できるため、社内勉強会での満足度調査などに活用できる。

会議中に5段階の「評価」アンケートが可能になった(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Teams(3):「チャットバブル」のモバイル対応

 Teamsを「iPhone」やAndroidスマホなどのモバイルデバイスで利用する場合、会議中の他の参加者のチャットが「チャットバブル」として表示されるようになった。画面下部にチャットの内容が「泡」のように表示される。従来はチャットを見ようと思うと画面を切り替えなければならなかったが、その必要がなくなった。

モバイルデバイスで会議参加中にチャットバブルが表示されるようになった(出典:セミナー投映資料)

意外と役立つM365アプリのアップデート6選

 次に「Microsoft Outlook」「Microsoft Whiteboard」「Microsoft SharePoint Online」「Microsoft OneDrive for Business」に関する追加機能を見ていく。

Outlook on the Web:Bookings with me プレビュー

 ブラウザ版Outlookで「Bookings with me」が利用できるようになった。「予約ページの編集」から自分の「予約画面」を作成して公開すると、自分の空き時間を他のユーザーと共有でき、必要なら「予約」を入れてもらうことができる。入れられた予約は、Outlookの予定表に自動的に反映される。つまり、自分の空き時間を公開することで他者が予定を入れやすくなる機能だ。部下とのミーティングや営業のアポ調整などの場面で利用できる。

自分の空き時間を公開して予約を入れてもらうことが可能になった(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Whiteboard(1):データの保存先が OneDrive に変更

 Microsoft Whiteboardのデータ保存先が「Microsoft Azure」からOneDriveに変更になった。OneDriveに「Whiteboard」フォルダが自動的に作成され、拡張子「.witeboard」でファイルが保存される。

Microsoft Whiteboardのデータ保存先がOneDriveへ変更された(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Whiteboard(2):会議中に社外のユーザーとホワイトボードを利用

 データの保存先がOneDriveに変更になったことで、Teamsでの会議中に社外ユーザーともホワイトボードを共有して利用できるようになった。社外ユーザーは会議中にのみ共有されたホワイトボードを利用できる。なお、テナント設定でOneDriveの外部共有が制限されている場合は、管理者による追加設定が必要だ。

社外ユーザーとも会議中のホワイトボードの共有が可能になったが、事前に追加設定が必要(出典:セミナー投映資料)

SharePoint Online:ビデオコレクションページ

 SharePoint Onlineサイトに保存されている動画ファイルを一覧できる「ビデオコレクションページ」が参照できるようになった。サイトURLの末尾に「/_Layouts/15/Video_Collections.aspx」を入力することで参照できる。たとえ動画ファイルがさまざまなフォルダに分散していても一覧表示されるので、動画を確認する場合に便利だ。TeamsチャネルのSharePointタブにビデオコレクションページを共有しておくと、チームで管理できる。

キャプションサイト内の動画を、保存されたフォルダの場所にかかわらず一覧で参照できる(出典:セミナー投映資料)

OneDrive for Business:Word ファイル共有時のレビュー権限

 OneDrive for BusinessでWordファイルの共有権限に「レビュー」が追加された。レビュー用として共有されたファイルは、自動的にレビューモードで開かれる。他のユーザーは直接編集できないが、コメントや変更などを提案できる。文書の校閲などで有用な機能だ。Wordの変更履歴とコメントを活用したコラボレーション機能だ。

レビュー権限によって元の文書に手を入れることなく修正案をコメントできる(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Forms:Word や PDF からフォームを作成

 Microsoft Formsで、Word文書やPDF文書を基にフォームを作成可能になった。テキスト入力や選択肢といった簡単な回答形式なら問題なく作成できたが、複雑なものは不完全なフォームになることもあり、今後の改良に期待したい。

WordやPDFからフォームの自動生成が可能に(出典:セミナー投映資料)

2022年9月以降にリリース予定の新機能

 次に、2022年9月から「Microsoft Teams」に順次実装予定の追加機能を紹介しよう。なお、ここでの情報は本セミナーが開催された2022年8月31日時点に紹介されたものであることをご承知いただきたい。

Microsoft Teams(1):ブラウザ版TeamsのUI変更

 ブラウザ版Teamsで会議に参加した場合、UIがデスクトップ版と同じユーザーインタフェースに変更になる。数カ月前からアナウンスされていたが、時期がずれ込んで2022年10月頃にアップデート予定だ。

ブラウザ版TeamsのUIがデスクトップ版と同様に変更される(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Teams(2):チャネルのWikiタブが既定から外れる

 Teamsでチャネルを作成したとき、今まで自動的に作成されていた「Wiki」タブが作成されなくなる。以降は、新チャネルでWikiタブが必要な場合は、手動で追加する必要がある。Wikiタブを利用しているテナントは、周知が必要だ。2022年9月にアップデートが予定されている。

チャネル作成時のWikiタブが自動生成されなくなる(出典:セミナー投映資料)

Microsoft Teams(3):ライブキャプションの自動翻訳

 会議中に話したことを文字起こしする「ライブキャプション」に、自動翻訳機能が追加される。話者の音声言語を指定することで翻訳機能が動作する。参加者ごとに字幕の翻訳言語を指定できるので、日本語で字幕を表示させることもできれば、そのままの言語で表示させることも可能。2022年10月に追加予定だ。

字幕を翻訳して表示、確認できるようになる(出典:セミナー投映資料)

今後終了予定の2つのサポート

 最後に、今後終了予定のサポートサービスをまとめた。2022年9月13日に「iOS」の最新バージョンがリリースされたが、それに伴って旧OSのサポートが終了する予定のため注意が必要だ。

Exchange Online:基本認証(ベーシック認証)のサポート終了

 2022年10月1日以降、テナントごとに「Microsoft Exchange Online」の「基本認証(ベーシック認証)」が無効化される予定だ。モバイル端末では各OS版のOutlookアプリを利用する必要がある。

Microsoft 365関連アプリ:iOS 16のリリースによるiOS 14のサポート終了

 「iOS 16」のリリースに伴い、「iOS 14」のサポートが終了する。Microsoft 365の関連アプリのiOSサポートポリシーに「最新版と1つ前のバージョン」と定められているためだ。なおiOS 15に非対応の機種は「iPhone 6」以前で、それらのモデルを使用している場合は対応が必要となる。

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