給与に関するコミュニケーションを改善しないと従業員のエンゲージメントが危うくなるという。給与に関する情報をオープンにすべき理由とは。
給与に関するサービスを提供しているSalary.comが2023年2月2日に発表したレポートによると、「雇用主は従業員の報酬に関するコミュニケーションに改善の余地がある」という(注1)。コミュニケーションを改善しないと従業員のエンゲージメントが危うくなるというがその理由は。
同社が調査した人事担当者は、「雇用主が2023年全般的に従業員の給与を引き上げる」と回答し、半数以上が「報酬プランがある」と回答した。
しかし、給与の引き上げに対する理念や計画を労働者と共有できていない企業が多く、「報酬に関する会話について管理職を教育している」と回答した企業はわずか3分の1だった。また、人事の回答者の半数以上は「自分の企業の従業員エンゲージメントは平均以下」としている。
Salary.comのクリス・ファスコ氏(報酬担当バイスプレジデント)は「給与に関するコミュニケーションができていないため、従業員のエンゲージメントが低下した可能性がある」と結論付けている。
人事領域の専門家はHR Diveに「報酬明細書は給与に関するコミュニケーション方法の一つだ。雇用主は業績や学歴などの要素を考慮し、給与がどのように設定されているのかについて洞察を盛り込める。管理職はその情報を伝え、部下からの質問に答えるための訓練を受けなければならない。上司は報酬明細書に含まれる項目の意味を伝え、質問の機会を与える必要がある」と語った(注2)。
ファスコ氏も「企業のリーダーは、急速に進む給与の透明性に関する法律や、依然として厳しい労働市場の動きに対応するため、給与に関する情報をオープンにし、困難を伴う会話のしかたについて管理職を訓練する必要がある。そこを改善しなければ取り返しのつかないことになる」と提言した。
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