ある10人ほどのリクルートチームが、年間1200人もの人材を採用し、リテンションできているという。重要なのはオンボーディングではなく“その後”の取り組みというが、その内容とは。
ある10人ほどのリクルートチームが、年間1200人もの人材を採用し、リテンションできているというが、なぜだろうか。
インディアナ州フォートウェインに存在する、楽器とアクセサリーのオンライン小売業者、Sweetwater Sound(以下、Sweetwater)のジョーダン・アップルゲート氏(採用担当シニアディレクター)によると、人材をリテンションできている理由はリクルーターと人事パートナーの「2つの役割」にあるという。
「リクルーターは、採用だけでなく採用プロセスで世話してきた候補者とも入社後に関係を築くことが望ましい。この関係は労働者の在職期間中ずっと続く可能性があり、リテンションに役立つと思われる。当社のリクルーターは採用担当者とともに、人材や文化戦略、候補者との関係性を高めるためのリテンション戦略について、かなりの仕事を受け持っている」(アップルゲート氏)
パンデミックが小売業を直撃する中、Sweetwaterは「飛躍的に成長した」とアップルゲート氏は言う。同社は、販売員が顧客と1対1でつながるeコマースプラットフォームを導入している。同社の採用手法がこのモデルに合致しているのは、偶然ではないとアップルゲイト氏は言う。リクルーターは面接で築いた信頼関係を基に、候補者を従業員として採用し、オンボーディングのさらに先まで導くことができる。
「私がこのチームに所属してもう9年になる。7〜8年前に採用した従業員が人事関連の話をしたいと言った場合、私がその従業員と関係を築いてきたため依頼を受けることになる」とアップルゲート氏は説明する。
Sweetwaterは全国的にテレワークを推奨しているが、従業員がそれぞれ離れた場所で仕事をすることで生まれるチームワークの問題もなく、社内の文化を強く維持できている。ハイブリッドワークのジレンマの打開策として、保険プランに関係なく従業員とその家族が無料で医療を利用できる制度など、社内の設備をさらに充実させることをアップルゲート氏は挙げている。
Sweetwaterは、パンデミックの最初の数カ月はフレキシビリティーを重視したが、その後、従業員にオフィスへの復帰を求めた。「オフィスの設備が整っていることが、従業員が復帰に前向きな大きな理由だ」とアップルゲイト氏は指摘する。
「採用活動や面接の過程で、オフィスに戻る呼びかけを拒否するといった話も聞いている(注2)。しかし、従業員の提案をひも解くとテレワークがなぜ適しているのかは明らかだ」(アップルゲイト氏)
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