従業員の活動を記録した「ワークログ」。これを可視化するサービスで働き方やマネジメントはどう変わるのか。日本郵政のDX推進を担うJPデジタルの事例を紹介する。
チームスピリットは2023年3月28日、日本郵政グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を担うJPデジタルによる、勤怠・工数管理ツールのデータを可視化した「ワークログ」活用の事例を発表した。
ワークログとは、従業員の出勤から退勤までの活動ログのことだ。チームスピリットが提供する勤怠・工数管理ツール「TeamSpirit」では、このワークログをダッシュボードで確認できる。
その活用によって、JPデジタルの働き方やマネジメントはどう変わったのだろうか?
JPデジタルの市橋知樹氏(社内ITインフラ担当)によると、日本郵政グループのDX推進を担う企業としてデジタル人材を呼び込むために、専門的な人材が勤務時間などをフレキシブルに選べる環境を整備する必要があったという。それに加えて、「組織として従業員の勤務状況や業務内容を把握する必要もあり、ワークログを可視化できるTeamSpiritを導入した」と導入の経緯を語った。
ワークログの可視化は、特にマネジャー層にとってのメリットが多いようだ。JPデジタルの鶴巻 仁氏(DX部門 シニアマネジャー)は、「誰が超過勤務しそうか?」「どの業務がどの程度進捗(しんちょく)しているのか?」などを把握できるのがメリットだと語る。把握した状況を基に、マネジャーがメンバーとコミュニケーションを取るきっかけになっているそうだ。
ワークログのダッシュボードは、マネジャーと部下の1on1ミーティングでも活用できる。市橋氏は、業務の状況を客観的に把握しながらマネジャーとコミュニケーションを取るために利用しているという。マネジャーの鶴巻氏も「データに基づき的確に判断して指示を出せる」と導入のメリットを強調する。
市橋氏によると、導入に当たって苦労したのは、従来の方法に慣れていた従業員の理解を得ることだったという。勤怠管理やマネジャーとのコミュニケーションの方法を既に確立している企業も多い。市橋氏は導入時に「ダッシュボードの使い方をレクチャーして便利さを実感してもらった」と振り返る。このように、導入時は既存の方法からスムーズに移行するためのサポートが必要になるだろう。
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