経費精算の入力、承認、仕分けを一貫して自動化するSAPPHIRE for Enterpriseがリリースされた。電子帳簿保存法やインボイス制度などの法改正や法令対応にも自動で対応するという。どのような機能を利用できるのか。
Miletosは6月8日、AI(人工知能)技術を活用し、経費精算プロセスの自動化を実現する経費精算ソリューション「SAPPHIRE for Enterprise」をリリースすると発表した。「SAPPHIRE for Enterprise」は経費精算プロセスを一貫して自動化する仕組みを提供する。
同社はこれまで、経費精査(不備、不正経費の検知など)や、通勤手当および近郊交通費の算出を自動化するAIプロダクトを提供してきた。今回リリースする「SAPPHIRE for Enterprise」は、出張費や交際・会合費、仮払金、物品の購入など、日々の経費精算業務にまで経費精査の対象範囲を広げた。さらに制度改正による入力項目の増加などにもAIが対応する。入力者と承認者、経理担当者の工数をどこまで削減できるのか。
「SAPPHIRE for Enterprise」は実在するデータを基に、AIが自動で申請データを作成する。AIがフォーマットの主要項目を自動的に入力することで申請者の入力負担を大幅に軽減し、不正や不備も削減できるとしている。また、AIがデータを事前に精査するため上長や経理担当者による承認、チェックの負担も軽減できる。
従来、申請を作成するためには、通常、紙(領収書など)に記載された情報をシステムに入力するなど、「紙からデータ」というプロセスが必要だった。「SAPPHIRE for Enterprise」は、AIが各種データ(コーポレートカードの支払い実績や交通系ICカードから取得した情報、出張管理システム手配データ・実績データ、AI-OCRで読み取った領収書など)から自動で申請を作成する。
「SAPPHIRE for Enterprise」は、経費の入力から上長や経理担当者のチェック、さらに上流の会計システムへの仕訳連携までを一貫して処理する。「iOS」「Android」のタブレットやデスクトップに対応する。
AI-OCRを利用して、領収書から読み取った明細項目やAIで作成した申請データ、さらに企業の過去の経費使用実績を基に、経費タイプ(勘定科目)を自動で予測する。
AIの自動調整機能により、法や制度の改正によって新たな入力項目が追加されても、手動で設定を変更することなく申請データを作成できる。AIによる補助機能はオプションなしで提供する。インボイス制度対応については、制度導入に伴い標準機能として搭載する予定だ。
複雑で独自のビジネスルールを持つ企業や部門に対応できるよう、マルチカンパニー対応、外貨対応、個社ごとのルール対応、部門毎での承認フロー制御といった特性を持つ。
出張手配のため予約システムに入力したデータから自動的に出張申請データを作成する。これは、出張の際に必要なホテルの予約や交通手段の予約情報などが該当する。また、事前申請で承認された出張期間中に決済された情報については、AIが自動的に申請データを作成する。出張の予約や事前申請、経費精算が自動的に関連付けられ、一元管理が可能になる。
SAPPHIRE for Enterpriseは、これらの機能によってさまざまな経費精算環境に対応し、各企業の業務改善をサポートする。
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