ファンケルは、「BizRobo! Basic」を活用して、現場主導で200体のロボットを稼働させ、年間約6700時間分のリソースを創出した。RPAの選定理由や運用体制、活用方法とは。
RPAテクノロジーズは、ファンケルが「BizRobo! Basic」を活用して年間約6700時間分のリソースを創出し、人手が必要な定型業務の減少を実現したと発表した。その選定理由や運用体制、活用方法とは。
ファンケルでは、販売管理部門において人が介在する定型作業を減らしたいという課題があった。そこで情報システム部門がRPAの導入を検討し、2019年12月に「BizRobo! Basic」の活用を始めた。ITリテラシーのレベルを問わず使いこなせる操作性とサポート体制、社内各所での運用を一元的に統制できる管理機能、そして開発者が増えても維持費用を抑えられるライセンス体系が決め手だった。
RPAの運用については、ロボット開発を導入部署の従業員とBizRobo!パートナーであるヴィンクスが共同で担当し、保守運用は情報システム部が支援している。RPA活用部署の拡大については、社内教育機関であるファンケル大学が社員研修を通じて取り組んでいる。
現在、ファンケルでは23部門で約200体のロボットが稼働し、多くの業務を自動化している。特に流通部門では、取引先の卸・小売各社のWebサイトから売上データを自動抽出・集計し、自社システムに登録。商品別実績表を作成する作業を土日祝日も含めて毎日自動実行している。200店舗分の商品予約データ集計と伝票作成、複数システム間でのデータ連携なども自動化し、製造から流通、販売までの各段階でBizRobo!を適応しているという。
2年半以上BizRobo! Basicを導入して運用した結果、ファンケルは年間約6700時間相当のリソースを創出し、ルーティンワークから解放された時間を他の業務に振り向けている。
RPAに対する理解もグループ全体に浸透してきた。開発・運用を手掛ける導入部署では、社外や部外の技術的な支援が不要な状況も増え、部署横断型のRPA構築に向けた動きも見られる。さらに、RPA研修を手掛けるファンケル大学では、「余白」を作り出すことが必要という企業理念に基づいて教育を進めている。この結果、業務を整理し、最適な効率化手段を検討するスキルが社内で定着し、その効果を実感している。
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