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ハイブリッドワークで進む従業員関係の希薄化 「つながり」を改善するHRテクノロジー4選

職場におけるつながりは、従業員の幸福感と離職率に大きく影響する。つながりを育むために役立つHRテクノロジーを紹介する。

» 2023年11月09日 07時00分 公開
[HR Dive]
HR Dive

 職場における「つながり」を感じている従業員はミスが少なく、質の高い仕事に貢献し、満足度が高く、長年その組織にとどまる可能性が高いことが、調査によって何度も明らかになっている(注1)。

 しかし、従業員の65%が職場での孤立を感じている現実をふまえると(注2)、これらのつながりは一朝一夕で自然に生まれるものではないため意識的な取り組みが必要だ。

 職場におけるつながりの重要性と、つながりを構築する4つのHRテクノロジーを紹介する。

「つながり」の構築に取り組むべき理由

 つながりのある職場とは、従業員同士がつながり、ミッション、ビジョン、バリューも含めて従業員が組織とつながり、さらには従業員が個人の目的にもつながりを感じる場所を指す。

 つながりは組織をまとめる接着剤であり、組織を前進させる原動力にもなる。つながりを築くためには、対話や連帯感、連携などを促進するための適切な人事ツールが必要だ。

 職場におけるつながりは、従業員の幸福感と離職率に大きく影響する。つながりを持たない従業員は、強い不安やうつ病、燃え尽き症候群、ストレスを報告することが多く(注3)、辞職する可能性が3倍高くなる。

 つながりは業務にも影響を及ぼし、コミュニケーションや連携とともに重要な役割を果たす。これらの要素が不足すると生産性が低くなり、ビジネスがスムーズに運営されなくなる。

 大量退職時代や「静かな退職」の動きは(注4)、従業員が離職の意向を持っているという事実を雇用主に突き付けた。組織は、ボーナスや無料のコーヒーといった簡単な解決策をいつまでも続けるのではなく、従業員が本当に必要とする「つながり」の構築に取り組まなければならない。

つながりを構築する方法、HRテクノロジーとは

 職場でのつながりを改善するための戦略にHRテクノロジーの活用がある。つながりを改善する4種類のツールを紹介する。

1. 同僚を評価するツール

 個人的な成功や業務上の成功を定期的に祝う。これらの成功をリアルタイムで発表し、成果を記録として残すことで、従業員は職場文化に積極的に交わるようになり、満足度を高め、離職率が低下する。

 同僚を評価するツールに投資することで(注5)、従業員は簡単に感謝の言葉を伝えたり、受け取ったりできるようになる。これにより、企業に対する帰属意識やつながりを深め、孤独感を減少させ、生産性を高められる。

2. デジタル格差を減少するツール

 従業員の約4分の3が「ハイブリッドワークができる環境への移行により組織の文化が改善した」と述べている(注6)。しかし、ウォータークーラー前の他愛ない会話やハッピーアワーにおける突発的な外出といった社交イベントがない場合、つながりは減少し、さらには消えてしまう恐れがある。

 ハイブリッドワークやテレワークをできる環境を持つ組織は、意図的かつ創造的につながりの機会を提供する必要がある。そこで、つながりを構築する機能を備えた人事テクノロジーが役立つだろう。

 人的資本管理(HCM)のためのソリューションは、従業員がオフィスにいるか自宅で働いているかに関係なく、組織全体に温かみや興奮、つながりの深さを伝えられるものでなければならない。デジタル技術を活用したエンゲージメント戦略は、ほとんどの時間を現場で過ごすデスクレスの従業員や、同じシフトや同じ季節で働かない従業員同士をつなげるためにも役立つ。

3. 従業員に発言権を与えるツール

 従業員は、自分の意見が歓迎されるだけでなく、価値があると認識されているとき、組織につながりを感じやすくなる。そのため、組織は積極的かつ定期的に従業員に働きかけ、フィードバックを求める意識的な取り組みをすべきだ。

 従業員アンケートは(注7)、個人が発言するための手段である。また、従業員からのフィードバックに基づいて可能な限り行動することで、従業員は自分たちの声が重要だと感じられる。

 さらに、アンケートを定期的に活用することで、従業員のエンゲージメントに関する問題への理解を深めたり、離職率を下げる戦略を見付けたり(注8)、新しいアイデアを奨励したりすることができる。

4. コミュニケーションの一元化とオープン化を推進するツール

 従業員は、直感的で利用しやすいコミュニケーションチャネルを求めている。モバイル機能(注9)、ビデオ(注10)、ソーシャルメディアのようなコミュニケーションハブなど、すでに馴染みがあり、新しく学ぶ必要のない手段を考えてほしい。

 従業員のスケジュールに合わせて、どこにいても機能するコミュニケーションが望ましい。彼らがラテを待っている間や、学校から出てくる子供を待つ駐車場で確認できるチャネルを活用しよう。

 組織の最新情報、ファイル共有、CEOからのメッセージなどの重要なコミュニケーションと、人間同士でつながりを得る機会を統合したコミュニケーション・プラットフォームに投資しよう。また、コミュニケーションは双方向でなければならず、誰もが参加できるようにすべきである。

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