Slackの調査によると、デスクワーカーはそれぞれ異なる「仕事上の性格」を持っている。従業員診断の結果を基に、職場のさまざまな取り組みを個人に合ったものにすることができるという。
Slackが2023年11月8日(現地時間)に発表した報告書によると(注1)、デスクワーカーはそれぞれ異なる「仕事上の性格」を持っている。それは、従業員がどのように仕事をすべきなのか、リーダーはどのように仕事環境をサポートすべきなのか示してくれるという。
仕事上の性格を表す5つのペルソナの「探偵」「出張戦士」「ネットワーカー」「問題解決者」「表現者」は、従業員が同僚とどのように関わり、知識を共有し、テクノロジーを使って日々のタスクを克服しているかを示す。
Slackでリサーチとアナリティクスを担当しているクリスティーナ・ヤンツァー氏(シニアバイスプレジデント)は、「従業員数が5人であろうと5000人であろうと、全ての職場には個性、スキルセット、作業スタイルに関する固有のエコシステムがある。この新しい調査は、業界や国に関係なく、全く同じ働き方をする従業員はいないことを示している。これは『Slack』のような柔軟な生産性向上のためのプラットフォームを使用して、人々が自分の固有の強みを生かすことの重要性につながる」と述べた。
世界中の1万5000人以上のデスクワーカーを対象とした調査から、従業員の3分の1は「探偵」であり、「表現者」は10%に過ぎないことが分かった。
重要なことは、これらのペルソナにより、職場におけるAI(人工知能)ツールに対する興奮、慎重さ、期待が異なっていることである。調査によると、若い従業員や他人を管理する従業員を中心に、ほとんどの従業員は前向きな見通しを示している。特に、「問題解決者」の48%、「表現者」の48%がAIに対して興奮を感じており、AIによって生産性が高まると考えている。
全体として、3分の1以上の従業員が「新しいテクノロジーに興奮または活力を感じ、より生産的になることを熱望している」と回答した。一方で、一部の従業員は、学ぶのに十分な時間がなかったり、学ぶのが難し過ぎたりするとの理由から「AIに圧倒されている」と回答した。また、約半数の従業員は「企業がAIに対するトレーニングを提供している」と回答する一方で、一部の人々は「企業が自動化のためのAI活用の面で遅れている」と述べた。
報告書には、「企業によるトレーニングは考慮すべき重要な要素だ。適切な技術トレーニングを提供している企業の従業員は不安や圧倒を感じにくく、生産性向上への期待、興奮、活力を感じる傾向がある」といった記載がある。
人材サービスを提供しているRobert Halfの報告書によると、AIに対する不安もある一方で、従業員のAIに対する信頼も高まっている(注2)。特に、人事担当者や技術者は「AIが自分のキャリアに良い影響を与え、自分のスキルに対する需要を高め、効率と生産性を高める可能性がある」と述べている。
同時に、米国の人材派遣業界の団体であるAmerican Staffing Associationの調査によると、他の業界では、AIに仕事を奪われることについて、従業員から悲観的な声が上がっている(注3)。従業員の約半数は「自動化により自分の仕事が奪われる可能性がある」と述べている。特に工業、エンジニアリング、事務職に従事する人々の中で、その傾向が強い。
テクノロジー企業であるUKGの報告書によると、職場でAIへの支持を高めるために、リーダーは従業員に対して提供する情報の透明性を確保し、信頼を育むことができるという(注4)。半数以上の従業員は「雇用主がAIをどのように活用しているか把握していない」と回答している。このような状況の中で、透明性を確保することが幸福度や信頼度、エンゲージメント、満足度、定着率の向上につながる。
出典:Which work personality are you? Slack report reveals 5 types(HR Dive)
注1:From the "detective type" to the "business trip warrior type", analyze the personas of the person who moves the work forward(slack)
注2:Worker confidence in AI may be growing despite unease about the tech(HR Dive)
注3:US workers voice pessimism about AI and employment(HR Dive)
注4:Want AI buy-in at work? Champion transparency, UKG says(HR Dive)
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