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従業員への投資効果が大きくなるキャリアのタイミングとは

従業員への投資はビジネスにポジティブな結果をもたらす。そして、ただ従業員に投資するのではなく、“あるタイミング”で投資すると費用対効果が大きくなるという。

» 2024年01月19日 07時00分 公開
[Carolyn CristHR Dive]
HR Dive

 従業員への投資は、雇用主と従業員の良好な関係を構築し、ビジネスにポジティブな結果をもたらす。

 専門家によると、ただ従業員に投資するのではなく、“あるタイミング”で投資すると費用対効果が大きくなるという。果たしてそのタイミングとは。

効果的な従業員への投資タイミングはいつ?

 組織コンサルティングを行うKeystone Partnersの2023年12月12日(現地時間)の報告によると(注1)、昇進やレイオフなどの重要な局面で従業員の能力開発に投資することは、雇用主と従業員の関係を築き、より熱心で忠誠心が高く、健康で回復力のある従業員を生み出すことにつながる可能性があるという。

 調査データによると、雇用主からキャリア開発サービスとキャリア転換サービスの両方を受けた従業員の87%は「雇用主との関係が相互的だ」と感じている。

 声明の中で、Keystone PartnersのCEOであるティム・ボールドウィン氏は「雇用主はかつてないほど流動性の高い労働力を扱っており、従業員は、在職期間の長さよりも在職中の雇用主との関係の質によって企業を評価していることが分かった」と述べた。

 また、ボールドウィン氏は、次のようにも述べている。

 「従業員は、自分の成長に対する企業の投資を期待している。投資されていると感じれば、彼らは企業との関係を前向きに捉える可能性が高くなることが調査で明らかになった」

 さらに、雇用主がキャリアの大きな節目で従業員に投資する場合、レイオフのように通常はネガティブに捉えられる瞬間であっても、ビジネスにおけるポジティブな結果につながる可能性がある。

 調査では、雇用主からキャリア転換の支援を受けた従業員の77%が「職を失うことは最終的にポジティブな経験だった」と感じている。さらに、自身はレイオフの対象にならなかったが、他の人がキャリア転換サービスを受けたことを知っている従業員の65%が、雇用主を肯定的に捉えていた。

 人的資本に対するアドバイザリーを提供するThe Josh Bersin Co.の報告書によると、現在のビジネス環境は従業員の能力開発を必要としている(注2)。同社によると、企業が遅れを取らないためには、部門を横断するキャリアパスを採用し、ダイナミックな組織を構築し、スキルの再編成と従業員の雇用の維持に注力する必要があるという。

 実際、専門教育企業であるEmerituの報告書によると、ほとんどの社会人は「継続的な教育とスキルアップが自分のキャリアにプラスになる」と答えている(注3)。また、約80%が「スキルアップによって目立つことができる」と答え、74%が「教育に投資をしていない企業よりも教育に投資をしている企業を選ぶ」と回答している。

 タレントマネジメント・プラットフォームであるBeameryの調査によると、人材開発において、中間管理職が重要な役割を果たす可能性がある(注4)。Beameryによると、管理職は従業員の成長や昇進、生産性向上をサポートできる。管理職への投資は、企業が組織全体の人材に関する課題を解決するのに役立つという。

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