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無料のNotionカレンダーで生産性が爆上がりする理由

2024年1月にはNotion Labs Japanから「Notionカレンダー」追加の発表があった。「Google カレンダー」などが思い浮かぶが、Notionカレンダーを使うことでどのような優位性があるのか。

» 2024年02月26日 08時00分 公開
[平 行男合同会社スクライブ]

 「Notion」は、ノートやドキュメント、Wiki、プロジェクト管理、データベースなど多彩な機能を持つコラボレーションツールだ。

 ベネッセやサントリー、トヨタ自動車、三菱重工、サイバーエージェントといった大手企業を中心に日本でも導入が進み、そのフィードバックを受けながら定期的に新機能を追加している。

 2024年1月にはNotion Labs Japanから「Notionカレンダー」追加の発表があった。新しいカレンダー機能は、カレンダーから各アプリへの導線をスムーズする仕組みや、予定調整といったコラボレーションの副次的工数を極力減らす機能によって、生産性を大きく上げるものだという。カレンダー機能というと、「Google カレンダー」などが思い浮かぶが、Notionカレンダーを使うことでどのような優位性があるのか。

 Notionの日本代理店、ノースサンドの六山大輝氏が、Notionカレンダーの機能やチームで活用するために押さえておきたい使い方を解説した。

無料ツールNotionカレンダーで生産性が爆上げする理由

 Notionカレンダーは、Notionが2022年に買収した「Cron」をベースとしている。なお、Notionカレンダーの利用は無料だが、Notionとは別のアカウントが必要になる。

 対象の環境は、ブラウザや「Mac」デスクトップアプリ、「Windows」デスクトップアプリ、「iPhone」用アプリと幅広い。「Android」や「iPad」のアプリについても開発中だ。

 Notionカレンダーの特徴は、 Notionにあるタスクやプロジェクト、メモ、情報といった要素と完全に統合されていることにある。例えば、Notionに登録されたプロジェクトのタイムラインをカレンダーのイベントと並べて確認することが可能だ。

 Notionカレンダーの情報とNotionのデータベースの情報は完全に同期されているので、Notionカレンダーで日付けや時間を変更するとNotionのデータベースに反映される。その逆も同様だ。フォーカスブロックやタスク、作業項目をNotionからカレンダーに手動で移す必要はない。

 カレンダーの予定に対して、Notionのドキュメントをひも付けることも可能だ。議事録や資料などをカレンダーに表示することで、会議のコンテクストを簡単に把握できるという。

 その他、カレンダーからの会議アプリへの導線や、Notionの各ページへの導線をスムーズにするためのきめ細かな工夫がある。Notionカレンダーの予定はメニューバーに集約して表示される(Windowsの場合はシステムトレイアイコンをクリックすると表示される)。会議のURLやNotionのページをひも付けていると、メニューバーからすぐに会議に参加したり、議事録や資料を開いたりできる。一般的には「会議ツールを開く」→「特定のイベントを開く」→「会議に入る」といった手順を踏む必要があるが、Notionカレンダーならこのステップを短縮できる。

予定しているイベントをメニューバーに表示イメージ(出典:ウェビナー投影資料)

 さらに、仕事やプライベートを問わず全ての予定をNotionカレンダーに集約できることで予定の管理が大幅に楽になるという。Notionカレンダーには、仕事やプライベートをスムーズに進めるための機能がある。スケジューリングのリンクの共有は、メンバーと打ち合わせの日程を決めるときに便利な機能だ。日程調整をするときは、予定表から参加者共通の空き時間を抽出した上で、メンバーに確認するのが一般的である。Notionカレンダーではこの作業が大幅に短縮できる。

 手順はまず、「予定を共有」をクリックする。自分の予定表の空いている時間帯がグレーになるので、打ち合わせの候補を選択し「作成」をクリックすると、そのままメンバーへ送信できる日程調整の文章が生成される。

 この文字列をメールやチャットツールにコピー&ペーストしてメンバーへ送信すれば、受け手は添付されているリンクから都合のよいタイミングを登録するだけで日程調整が完了する。

スケジューリングリンクの共有イメージ(出典:ウェビナー投影資料)

 Notionカレンダーには多くのショートカットも用意されている。例えば、来週の予定を見ているときに「T」を押すと、今日に戻る。週の予定表を見ているときに数字の「1」を押すと、今日だけが表示される。数字の「0」を押せば週表示に戻る。ショートカットに慣れてくると作業スピードを大幅に短縮できるだろう。

 他のメンバーと予定調整するときに便利なショートカットがある。「P」を押してメンバーの名前を入力すると、そのメンバー予定が表示される。ここでドラッグ&ドロップするだけで予定を作成できる。スムーズにイベントが作成できる動線ができ上がっているわけだ。

すぐに試したい4つの機能

 他にもNotionカレンダーの機能で六山氏が気に入っているものを紹介した。

 一つ目は、世界中の時間帯を自動で表示する機能だ。グローバルで仕事をする場合、海外との時差の計算は面倒だ。Notionカレンダーは、日本と対象国の時差を自動計算できる。日本時間で自分の都合の良い時間帯を決め、「New York」などと地域の名前を入れると、自動的にその地域のタイムゾーンを計算して予定を設定する。

 二つ目は、予定をクリックするだけですぐに編集できる機能だ。予定のタイトルを変えたり、説明書きを加えたりするときに、通常のカレンダーアプリは「予定を開く」「編集ボタンを押す」といったステップが必要だ。Notionカレンダーなら、予定をクリックしたらすぐに編集できる。クリック一つだけの細かい違いだが実務では意外と便利だ。

 三つ目は、予定をコピー&ペーストできる機能だ。メンバーと日程調整をするときに、自分のカレンダーで候補となる日程をブロックすることがある。その場合は予定を一つ作成してコピーし、空いているところに「command + V」(または「ctrl + V」)を押すと、簡単に候補日を複製できる。

 最後に紹介したのは、予定をブロックできる機能だ。仕事用のカレンダーにプライベートの予定を入れておかなかったために、ダブルブッキングが生じてしまうことがある。Notionカレンダーでは仕事の予定を入れたくない時間帯をブロックできる(Notionカレンダー上では「予定あり」として表示される)。

Notionカレンダーの便利な機能(出典:ウェビナー投影資料)

Notionカレンダーを3ステップで簡単に始める

 Notionカレンダーは、3つのステップで始められる。ファーストステップは「Googleカレンダー」と連携することだ。現在、連携できるのはGoogleカレンダーのみなので、Googleアカウントを持っていることが必須となる。「Microsoft Outlook」(以下、Outlook)と「iCloud」との連携は開発中としている。Outlookと連携させたい場合は、まずOutlookのカレンダーとGoogleカレンダーを連携させ、その上でGoogleカレンダーとNotionカレンダーを連携させる必要がある。

 Googleカレンダーと同期させたら、Notionのワークスペースと連携する。ここでは仕事やプライベートなど、複数のワークスペースと連携できる。

 最後に、会議ツールと連携する。現在は「Zoom」と「Google Meet」に連携できる。会議ツールと連携すると、予定表を作成するときに自動で会議のURLが発行される。

利用し始めるためには?(出典:ウェビナー投影資料)

チームで仕事をするときの実践的なユースケース

 最後に六山氏は、チームでの利用で効果を発揮するNotionカレンダーの機能を5つ紹介した。

 一つ目は、会議や打ち合わせと議事録を紐付けて可視化する機能だ。Notionカレンダーの一番の強みはNotionとの連携が強力な点だ。予定にドキュメントをひも付けたり、新規でページを作成したりできる。「Google WorkspaceとNotionを使っている会社であれば、ぜひその真価を体験してほしい」(六山氏)

議事録イメージ(出典:ウェビナー投影資料)

 2つ目は、日々のタスクを時間単位でスケジューリングする機能だ。Notionでタスクを管理する際、時間を指定する操作に手間がかかるため、諦めて日付ベースで管理している人も多いのではないだろうか。Notionカレンダーと一緒に使うことによって、時間単位でスケジューリングできるようになる。NotionカレンダーにNotionにあるタスクのデータベースを連携させると、日付ごとにタスクが一覧で表示される。このタスクをドラッグ&ドロップで移動するだけで、簡単に時間を指定できる。データベースの連携は、最大10個まで対応している。

 3つ目は、複数のプロジェクトのマイルストーンをカレンダーで表示する機能だ。マイルストーンは案件ごとのページを開いて確認しなければならなかったが、Notionカレンダーは自分が関わる案件を連携して、複数のマイルストーンを一覧で確認できる。

 4つ目は、イベント/コンテンツカレンダーで全員に情報共有できる機能だ。この機能は、イベントごとに発生するタスクをカレンダーに表示させることで、その日のイベントとタスクが一覧で確認でき、いつまでに何をやらなければいけないか、チームで共通認識を持つことができる。

 最後は、共有物のスケジュールを管理する機能だ。社用車や共有PCなど、モノのスケジュール管理ができる。共有物をいつ誰が使用するか、カレンダーに表示し、空いている時間帯に名前を入力することでスケジュールを押さえられる。Notionのページにも自動で連携される。

 「Notionカレンダーは、Notionに特化した次世代のカレンダーアプリです。議事録やタスク、プロジェクトに“時間”というレイヤーを追加でき、Notionの各情報と時間をより密接に管理できるようになります」(六山氏)

本記事は、株式会社ノースサンドが2024年1月25日に開催したオンラインセミナーの内容を編集部で再構成した。

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