Zoom Video Communicationsは2024年3月25日(現地時間)、コラボレーションプラットフォームである「Zoom Workplace」の他、AI機能の強化を発表した。
Zoom Video Communications(以下、ZVC)は2024年3月25日(現地時間)、コラボレーションプラットフォームである「Zoom Workplace」と、Zoomのプラットフォームで利用できるAI機能「AI Companion」の新機能および「Zoom Contact Center」について発表した。
これらの新機能や製品は2024年4〜5月にかけて提供される予定だ。従来のライセンス体系である「Zoom One バンドル」は「Zoom Workplace バンドル」にリブランディングされる。
さらにAI Companionの機能は全て、対象のZoomの有料プランに加入していれば追加料金なしで利用できる。
Zoom Workplaceは、AI機能やWeb会議、チャットなどの機能を統合したコラボレーションプラットフォームだ。ZVCはZoom Workplaceの提供に当たって、既存のコミュニケーション機能のアップデートと、新機能と新製品の提供、各機能の連携強化を予定している。
Zoom Workplaceは、ZoomのAPIやSDK、Zoom App Marketplaceを通じて2500以上のアプリとの連携が可能だ。
Zoomのユーザー体験も一新され、ユーザーはZoomアプリで4つの色テーマを選択できるようになる。
Web会議機能である「Zoom Meetings」は、従来のカレンダービューをサポートする他、「Meetingsタブ」が追加された。会議前、中、後の共同作業が可能になる。
Zoomは2023年に、Web会議以外でもチャットができる「ミーティングチャット」機能を導入した。Meetingsタブを通じて、ユーザーはプロジェクト期間中にミーティングチャットに簡単にアクセスできるようになる。
ミーティング中の新機能として、アクティブな発言者を自動的にハイライトするように動画のレイアウトを変更する「マルチスピーカービュー」も追加された。AIが環境に合わせてユーザーの顔を自動的に明るくする「ポートレート照明」や、ユーザーの背景をカスタマイズする「ジェネレーティブAIバーチャル背景」も提供する。
今後、使用頻度の高い機能をピン留めする「カスタマイズ可能なツールバー」の他、複数のユーザーが画面やドキュメント、ホワイトボード、メモを同時共有できる「マルチシェア」、サードパーティー製アプリのドキュメントを会議で共同編集できる「ドキュメント コラボレーション」などの機能が追加される予定だ。
なお、Zoom Meetingは、アジェンダやレコーディング、ドキュメント、AIスマートレコーディング、ミーティング要約などの共有アセットを一元管理する場としても機能する。
「Zoom Team Chat」は、非同期コミュニケーションを促進させる新機能を提供する。リンクやホワイトボード、リソースなどのチャネル関連アセットを単一のビューで整理する「Team Chatタブ」、会話を整理し、関連するプロジェクトやチームのトピックを検索しやすくする「共有スペース」の他、「ワークフロー自動化」の機能が含まれる。
Zoom Workplaceでは「Workspacesタブ」が追加され、「Wayfinding(道案内)機能」や「ビジターマネジメント機能」を活用することで、会議室への移動が容易になる。
Zoom Roomsには、ミーティング中に参加者の名前タグを自動的に表示する「スマートネームタグ」のオプションが追加される予定だ。会議の際にZoom Roomsの画面が足りない場合は、コンパニオンデバイスによってオーディオとビデオの画面を拡張できる。Zoom Rooms用の認定デバイスで「Workvivo TV」を使用することで、重要なアップデート、ニュース、イベントを迅速に提供できる。
AI CompanionはZoomのプラットフォームで利用できるAIアシスタント機能で、「ミーティングの要約」や「質問応答」といった機能を備える。今回の発表内容として、デジタルアシスタントの機能を強化した「Ask AI Companion」やZoom Phone向けのAI Companion機能の追加があった。
Ask AI Companionは、AI Companionのデジタルアシスタント機能を強化したものだ。「Zoom Meetings」「電子メール」「Team Chat」「Notes」「Docs」などから情報を収集し、統合、共有できる。
これらの情報を基に、会議の準備やまとめ、関連するアクション項目の表示、アジェンダの下書きの他、チャットやメールスレッド、文書の要約もできる。さらに、ユーザーがサードパーティー製のアプリケーションとの連携を有効化した場合、そこから情報を抽出することも可能だ。
「Zoom Phone」でAI Companion機能を利用できるようになった。通話の要約と次のステップの作成をリクエストでき、ユーザーは通話中にメモを取る必要がなくなる。
具体的には、緊急のメッセージの順位を上げてキューのトップに入れる「ボイスメール優先機能」や、ボイスメールに含まれるタスクを抽出する「ボイスメールのタスク抽出」機能の他、パワーパック内のTeam SMSを正確にまとめて表示し、スレッドから離れていてもすぐに流れをつかむための「Team SMSスレッド要約」機能を利用できる。
Zoom Team Chatの新機能として、AI Companionが会議でのチャットの意図を自動的に検出し、会議時間を提案する機能がある。将来的には、チャット作成機能やスレッドの要約といった文章補完機能を38カ国語(プレビュー版)で提供する予定だ。
「Zoom Whiteboard」では、プロンプトによってホワイトボードのフローチャートとマインドマップを生成する新機能を提供する。これによって、アイデア化と創作をスムーズにするとしている。
その他、今回の発表ではZoomプラットフォームを活用したチャネル統合型のコンタクトセンターサービス「Zoom Contact Center」で「AI Companion for Contact Center」が追加料金なしで利用可能になることが明らかになった。
ZVCの最高製品責任者であるスミタ・ハシム(Smita Hashim)氏は、次のように述べた。
「私たちは、Zoom AI Companionが当社のビジネスとお客さまに良い影響を与えており、チームで協業するための貴重な時間を捻出できることで、働き方に変革をもたらしていると実感しています。AI Companionを搭載したZoom Workplace は、コアとなるコラボレーションソリューションを単一のAI駆動型プラットフォームに集約することで、生産性や効率性、業務全体の向上を支援し、お客さまが直面する課題の解決に役立ちます」
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