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AI言語モデル活用企業の4分の3がオープンソースモデル採用 理解するべきリスクとはCIO Dive

Databricksの報告書によると、企業の4分の3以上がオープンソースの大規模言語モデルを利用しているという。一方で慎重意見を述べる企業もある。

» 2024年07月31日 10時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]
CIO Dive

 Databricksの報告によると、Fortune 500に選ばれた300社を含む1万社の顧客データを分析した結果、オープンソースのAI言語モデルが人気を集めていることが分かったという(注1)。

オープンソースモデルの価値とリスク

 2024年6月の報告書によると、大規模言語モデル(LLM)を使用する企業の4分の3以上がオープンソースを選択している。Metaの「Llama 3」は、リリースからわずか1カ月でオープンソースモデルの利用において40%近くのシェアを獲得した。

 Databricksによると、企業はコストとレイテンシを重視して、より小規模なオープンソースモデルに注力している(注2)。Metaの「Llama 2」、Llama 3、そして2番目に大きなプレイヤーであるMistralのユーザーの多くは、130億以下のパラメータを持つモデルを使用している。

 一方で、AIモデルの語彙(ごい)というグレーゾーンが、オープンソースのLLMに対する企業の初期の懸念を引き起こした部分もある(注3)。

 会計サービスを提供するEYは、2024年3月の報告書で次のような慎重意見を出した。

 「消費者と信頼関係を築くのに数十年かかるブランドは、フィルタリングされていないデータセットを使用したオープンソースまたはオープンアクセスのプラットフォーム技術の採用について慎重であるべきだ」(注4)

 どのようなプロジェクトであっても組織はある程度のリスクを負う。報酬がそのリスクに見合うかどうかを評価するのはテックチームの責任だ。

 医療サービスを提供するNorthwestern Medicineのモジャイヤー・エテマディ氏(医療システムに関する先端技術を担当するメディカルディレクター)によると、同社は放射線科医の燃え尽き症候群を軽減し、患者に利益をもたらす解決策を開発するためにオープンソースモデルを活用し、幾つかのパイロットプロジェクトを本番環境に導入したという。

 ダン・キング氏(シニアバイスプレジデント兼最高情報責任者)の直属の部下であるエテマディ氏は「CIO Dive」に対して、次のように語った。

 「私たちは機械学習のエキスパートではない。幸いにも、オープンソースの技術があるため、それに頼れる」

 エテマディ氏のエンジニアチームは過去4年間にわたり(注5)、一貫してAIツールを開発し、展開してきた。イリノイ州を拠点とするこの病院システムは、医師にフォローアップケアのリマインダーを送るソリューションや、放射線科医のためのレポートを作成するツールを開発した。

 「私たちの判断では、小さなドメインに特化したモデルの方がはるかにうまくいく傾向があり、非常に安価だ。ただし、常にそうとは限らず、まだ議論の余地があると考えている」(エテマディ氏)

 規制当局はオープンモデルとクローズドモデルの悪用を防ぐ方法について、より詳細な検討を行っており(注6)、データプライバシー監視当局は(注7)急速に変化する状況を追跡している。

 2024年6月14日、アイルランドのデータ保護委員会はMetaに対し、同社のソーシャルメディアプラットフォームで共有されている公開コンテンツを使用したLLMのトレーニングを延期するよう要請した(注8)。このプロセスが標準化されていない間、関係者は組織を支援するための設計図や評価基準を開発している(注9)。

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