情報システム部門を対象にアンケートを実施し、番外編として「情シス川柳」を募集しました。筆者が5年半ほど情シスとして従事した経験を基に、心に響いた川柳を紹介させていただきます。
本連載では、キーマンズネットが企業の情報システム部門を対象に実施したアンケート(実施期間:2024年8月7日〜10月4日、回答数:246)の結果を基に、情報システム部門の課題や担当者の働き方、スキル、対応に追われた業務など、現場の実情を紹介しました。今回はアンケートで募集した「情シス川柳」をお届けします。
筆者は、新卒入社した企業で5年半ほど情報システム部門の従業員(情シス)として従事しました。今回は「タレントマネジメント」をテーマに、グループ600人ほどの中堅・中小企業で「何でも屋情シス」として過ごした経験を基に、せん越ながら独断と偏見で選んだ川柳を紹介します。
まずは、情シスを辞めた身からすると耳が痛い一句です。
五・七・五ではなく、四・五・六と字余りかつ字足らずではありますが、筆者が情報システム部を去る際に先輩方が読んだであろう一句が心に残りました。
こちらについても、「現場のリーダーがしっかりお膳だてして若手に仕事を任せた後に離任されたのだろうか……」といった想像が膨らんでしまいます。
ただ筆者は、VMwareからの移行先についての記事を書いた際に、当時の上長からポジティブな連絡があったことから、もしかしたらもう許されているのではないかと淡い期待を抱いています。
次は、情シスの人事異動や人手不足に関する句を紹介していきます。
情シスに異動してきた人が訳アリ人が多いかどうかはいったん置いておき、他部門の従業員を情シスへ異動させるのはなかなかリスクが大きいことだと思います。ITへの好奇心が強い人ならば自ら知見を深めて活躍するかもしれませんが、ITに興味がない人は非常に苦しい状況に陥ることになるでしょう。
企業の情報システムは問題なく動いているのが当たり前で、トラブルがあって初めて安定稼働のありがたみを実感することが多いでしょう。投稿者さまはベテランの経験を基にシステムトラブルを未然に防いでおり、企業はどういった情報資産に情シスの影響があるのかを把握できていないのかもしれませんね。
多くの企業で課題として挙げられる属人化は、情シスとは切っても切れないキーワードでしょう。
あくまで筆者の経験上ですが、コストが安くパフォーマンスが高いシステムは情シスの探求心によって生み出されることが多く、属人化はそういった努力の延長線上にあるようにも思います。ですので、頭から属人化を否定しすぎてしまうと、新たなシステムが生み出される可能性をつんでしまうかもしれません。情シスのマネジメントの難しさを感じさせられます。
ここからは、先輩情シスと後輩情シスのあつれきが垣間見える一句を紹介していきます。コメントはあくまで個人の経験に基づくものですので、ご了承ください。
先輩情シスが後輩情シスに業務を任せ、早速トラブルが起きた様子が昨日のことのように思い出されます。
こちらは、後輩情シスがトラブルを起こした後の先輩情シスの心情を表していますね。こうして属人化が進んでいくのかもしれません。
ただ、後輩情シスも言われっぱなしというわけではありません。情シスの業務は「目で見て盗め」だけでは限界があります。
さまざまなあつれきの結果がこの一句かもしれませんね。退職者が続く情報システム部門ということは、採用活動がうまくいっていた時期もあったのでしょう。
さまざまな川柳を紹介しました。個人的に特に心に響いたのは、タイトルにも選んだ一句です。
こちらの一句は、筆者が情シスのころに抱えていた気持ちを特に端的に言い表しているように思います。企業のシステムは平穏に稼働させるだけでもかなりの労力が必要です。にもかかわらず情シスは、システム障害が起きたときだけスポットライトを浴びがちです。体験談として、役員に「何をしているのか分からない人たち」と言われたこともあります。
ただ、周囲に理解をされないことを逆手に自由に働けることも情シスの魅力です。情シスには、周囲に理解されて介入されすぎると面倒で、理解されなさすぎるとさびしい、そんな複雑な一面があるのかもしれませんね。
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