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【2025年3月版】M365の新機能15選 専門家の一押しを一挙に紹介

2025年2月のアップデートは、「操作性の向上」「コミュニティーエンゲージメントの強化」など、全体としてユーザビリティの向上と業務効率化を目指した新機能が搭載された。

» 2025年03月11日 08時00分 公開
[平 行男合同会社スクライブ]

 「Microsoft Teams」(以下、Teams)は、小規模ながらユーザビリティの向上につながるアップデートが増えている。「Microsoft SharePoint」(以下、SharePoint)は、「Webパーツ」の充実などページ編集に関するアップデートが続いた。Microsoftは「Microsoft Viva Engage」(以下、Viva Engage)の新機能追加に力を入れている。また、「Microsoft Word」(以下、Word)で利用できる「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)の「ある機能」が便利だと話題だ。

 内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部)が、注目すべき15個のアップデートをウェビナーで解説した。

便利すぎるCopilotの新機能

 WebブラウザでWordファイルを開いた際に、文章の要約を自動で作成してくれる機能が追加された。要約はページの上部に折りたたまれたセクションとして表示され、必要に応じて確認できる。この機能はMicrosoft 365 Copilotのアドオンライセンスで利用できる。今後もCopilotは、ユーザーの作業を先回りして助けてくれるプロアクティブな機能が多数追加される予定だ。

(出展:内田洋行の投影資料)

今知っておきたいTeamsの新機能5選

Teams(1) テキストにURL貼り付けでリンクに変換

 チャットやチャネルへメッセージを投稿する際に、リンクの設定を簡単にできるようになった。メッセージ内のテキストを選択し、URLを貼り付けるだけで、文字がリンクに切り替わる。この機能は、「Outlook for Windows」や「Microsoft Loop」などに搭載されていたが、今回のアップデートでTeamsにも実装された。

(出展:内田洋行の投影資料)

Teams(2) チャネル投稿の転送

 チャネル内の投稿や返信を他のチャネルに転送できるようになった。転送元のメッセージにカーソルを合わせ、「...」から「転送」を選択する。必要に応じてコメント追加もできる。ただし、転送されたメッセージに添付されたファイルは、元のチャネルの権限設定を引き継ぐため、転送先のチャネルやチャットのメンバーがファイルにアクセスできない可能性がある。

(出展:内田洋行の投影資料)

Teams(3) チャネルにスケジュール投稿

 チャットで利用できる「メッセージのスケジュール投稿」がチャネルでも利用できるようになった。あらかじめメッセージを作成しておき、時刻を指定して投稿できる。ただし現在のところ、ファイルを添付した場合は、ファイルだけ先に見えてしまうので注意が必要である。

(出展:内田洋行の投影資料)

Teams(4) 任意のブレークアウトルームを選択して入室

 会議のブレークアウトルームに参加者が自ら選択して入室できるようになった。従来は、事前に主催者、開催者、または共同開催者が割り当てておく必要があり、参加者が多い場合は作業が煩雑になっていた。今回のアップデートにより、事前の割り当て作業の負担が減り、参加者は自分でルームを選び、自由に会議に参加できるようになった。

(出展:内田洋行の投影資料)

Teams(5) 非アクティブなチャネルの非表示を取りやめ

 アクティブなチャネルを見つけやすくする目的で、使っていないチャネルをTeamsが検知して自動で非表示にしてくれる機能が2024年に搭載された。しかし、ユーザーの混乱を招くとして一旦中止になった。なお、2025年後半にオプトイン型の機能として再登場する予定となっている。

(出展:内田洋行の投影資料)

SharePointの新機能 Webパーツがより魅力的に

SharePoint(1) 編集カードWebパーツ

 デザインや機能をページに追加できる「編集カードWebパーツ」が追加された。画像の上にテキストを重ねられる「画像オーバーレイ」や、画像の一部に色を重ねられる「カラーブロック」など、テキストや画像をカスタマイズできる。また、リンクも「アイコン形式」「テキスト形式」「カード全体リンク」など、さまざまな形式で設定できる。

(出展:内田洋行の投影資料)

SharePoint(2) リストフォームのアップデート

 リストのフォームに新機能が追加され、カスタマイズ性が向上した。「条件分岐」機能は、特定の条件を満たす場合にのみフォーム内のフィールドを表示、非表示にできる。また、フォームのタイトルに「ロゴ」を追加することでブランディングや視覚的な魅力を高められる。「スケジュール」機能は、フォームからの回答受付期間を設定できるようになるなど、データの収集と管理が一層便利になった。

(出展:内田洋行の投影資料)

SharePoint(3) 電子メールやチャットの検索

 組織全体を検索する際に、「メッセージ」タブが追加された。メッセージでフィルタをかけることで、Teamsのチャットやチームのチャネルの投稿、「Microsoft Outlook」(以下、Outlook)のメールを効率的に検索できる。この機能は「Microsoft 365」全体の検索に搭載されていたが、今回のアップデートでSharePointにも実装された。

(出展:内田洋行の投影資料)

Outlookの新機能 電子メールの分類方法が充実

Outlook(1) スレッドの個々の電子メールに分類を設定

 従来、スレッド化された電子メールは、スレッド単位でしか分類を設定できなかった。今回、スレッド化された電子メールでも、個々の電子メール単位で分類を設定できるようになった。この機能は新しいOutlook for Windowsとブラウザ版のOutlookで利用できる。電子メールの分類機能を使っているユーザーにとってはうれしいアップデートだ。

(出展:内田洋行の投影資料)

Outlook(2) モバイルで電子メールを添付ファイルとして送付

 モバイル版のOutlookで、電子メール自体を添付ファイルとして送付できるようになった。電子メール作成時に「電子メールの添付」を選択し、電子メールボックスにある電子メールを指定する。これにより、関連する電子メールを一緒に送信でき、受信者が参照しやすくなった。情報の参照が容易になり、コミュニケーション効率の向上が期待される。

(出展:内田洋行の投影資料)

Viva Engageの新機能 コミュニティーエキスパートが設定可能に

Viva Engage(1) コミュニティー内で複数投稿をピン留め

 コミュニティー内の複数の投稿をピン留めできるようになった。従前も機能自体はあったが、ピン留めできる投稿数は1つだった。ピン留めされた投稿は、コミュニティーのWebサイトの上部に表示され、メンバーがすぐにアクセスできる。コミュニティーの管理者またはコミュニティーエキスパートは、この機能を利用して、コミュニティー内の重要な情報を効果的に共有し、メンバーのエンゲージメントを高められる。

(出展:内田洋行の投影資料)

Viva Engage(2) コミュニティーエキスパート

 コミュニティーの運営をサポートしてくれる「コミュニティーエキスパート」を指定できるようになった。コミュニティーエキスパートは質問投稿に対して「ベストアンサー」をマークしたり、投稿をピン留めしたりするなど、メンバー管理以外の管理操作を代行できる。コミュニティーエキスパートを置くことで、コミュニティーの運営を手分けして実施できる。

(出展:内田洋行の投影資料)

Viva Engage(3) コミュニティー分析機能の拡張

 コミュニティーデータを分析できる期間が、従前の過去1カ月程度から365日に拡張された。投稿数やコメント数、リアクション数などの年間変動を把握し、エンゲージメントの季節的なパターンを分析することで、長期的なエンゲージメントの傾向やパフォーマンスを評価できる。

(出展:内田洋行の投影資料)

Viva Engage(4) 代理人メニューの位置を変更

 「代理人」の管理メニューが左側のメニューに移動された。代理人は、ユーザーが他のユーザーに代わってアクションを実行できるようにする機能だ。秘書が社長のメッセージを投稿したり削除したりできる。また、社内のマスコットキャラクターなどの運営を複数人で分担する際にも場合にも便利だ。この機能により、コミュニティーやフォロワーと関わる必要があるが、頻繁に投稿できないといった課題を解決できる。

(出展:内田洋行の投影資料)

今後注目の新機能

 最後に太田氏は、来月以降に展開される注目の新機能を1つ紹介した。

Outlook 組織エクスプローラー機能の追加

 Outlookに「組織エクスプローラー」機能が追加される。会社の内部構造やチーム、ユーザーを視覚的に探索するのに役立つ機能だ。選択したユーザーに関する連絡先情報や上司、レポートを行うユーザー、共同作業を行うユーザーなどを確認できる。現在はMicrosoft Vivaのライセンスが必要だが、アップデート後はMicrosoft 365ライセンスで利用できるようになる。

(出展:内田洋行の投影資料)

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