調査によれば、日本を含む世界97カ国の経営者がリスクと捉えた内容はほぼ一致していた。サイバーセキュリティとAIはどちらがリスクだと考えられているのだろうか。
企業経営者は「サイバーリスク」と「AIリスク」のどちらを懸念事項だと考えているのだろうか。サイバーリスクは被害が増え続けているため、確実なリスクだといえるが、AIリスクは評価が難しいだろう。
法人向け保険のリスクマネジメント事業を展開するAllianz Commercial(以下、Allianz)は2026年1月14日(現地時間、以下同)、企業経営者が認識する主要ビジネスリスクをランキング形式で示す年次調査報告書「Allianz Risk Barometer」を発表した(注1)。結果はどうだったのだろうか。
サイバーリスクは5年連続で、企業経営者が最大の懸念事項に位置付けた(最大3つのリスクを選択させる回答方式で調査対象者の42%が選んだ)。
一方、AIリスクは2025年の10位から2位に急浮上した(同32%、注2)。AIを利用することによる生産性向上への期待が高まる一方で、新しいセキュリティリスクとして関心が強まっている。このレポートは技術の急速な進展やデジタルトランスフォーメーションが、企業の環境にどのような影響を与えてきたかを示すものだ。
Allianz Risk Barometerは日本の経営者の回答についてもまとめた。それによると、懸念事項の1位はサイバーリスクだった。2025年の調査から順位が上がった結果だ。2位は自然災害、3位は事業中断だった(キーマンズネット編集部)
Allianzのリュドヴィック・スブラン氏(チーフエコノミスト)は、『Cybersecurity Dive』に次のように語った。
「企業はAIを強力な戦略的機会として捉えているが、同時に運用や法務、評判において複雑なリスク要因があるという認識を持っている。多くの場合、ガバナンスや規制、人材といった領域での準備が追い付かないスピードでAI技術が導入されている」
スブラン氏が付け加えたところによると、多くの企業はAI導入の拡大に取り組む中で、システムの信頼性やデータ品質に対する規制、システム統合の難しさ、十分なスキルを持つ人材の不足という問題に直面することになるようだ。
米国に焦点を合わせると、サイバーリスクは引き続き最大の懸念事項であり、次いで事業中断、法規制および法改正が続いた。AIリスクは米国内では4番目に大きな懸念事項となっており、2025年の6位から順位を上げた。
世界的な信用格付け機関であるMoody’sが2026年1月の初めに発表したレポートでは(注3)、AIを活用したサイバー攻撃への懸念が高まっていることに加え、AIエージェントの利用拡大に対する不安も明らかになった。
なお、Allianz Risk Barometerは日本を含む97の国と地域を対象として、3338人のリスク管理の専門家を対象に実施した調査の結果をまとめたものだ。サイバーリスクとAIリスクは今回の調査では全地域とほぼ全ての産業分野でトップ5にランクインした。なお、総合3位はサプライチェーンの混乱を含む「事業中断」だった(同29%)。
出典:AI surges among top business risk concerns, while cybersecurity holds firm(Cybersecurity Dive)
注1:Allianz Risk Barometer(Allianz Commercial)
注2:Allianz Risk Barometer(Allianz Commercial)
注3:Moody’s forecasts growing AI threats, regulatory friction for 2026(Cybersecurity Dive)
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