生成AI導入の壁は「人材とコスト」 インフラ実態調査で見えた導入実態は
SB C&Sは生成AI普及に伴う企業のAIインフラ整備状況を調査した。企業規模ごとにどの程度AIの導入や案件が広がっているかを調べる踏査により、企業におけるAI活用の現状が浮き彫りになった。
SB C&Sは2026年4月23日、生成AIの普及に伴う、企業のAI活用を支えるインフラ整備の実態を明らかにした。
販売パートナー179人を対象に実施した調査によると、AI活用は拡大傾向にあるものの、多くの企業で導入は検証段階にとどまり、運用人材不足やコスト増が大きな課題となっていることが分かった。
生成AI導入はどの位進んでる? 企業のAIインフラ実態の調査結果は
今回の調査は、生成AIの導入拡大に伴い重要性が増すGPUなどのインフラや、その調達・運用課題を把握する目的で実施された。調査期間は2026年2月27日~3月13日で、Web回答にて集計した。
生成AI案件の主な顧客規模を見ると、「中堅企業」(100~299人)が29.1%で最多となり、「中小企業」(20~99人)が22.3%、「準大手企業」(300~999人)が19.0%と続いた。「大企業」(1000人以上)は18.4%、「小規模企業」(1~19人)は11.2%であり、中堅・中小企業が全体の過半数を占める結果となった。企業規模の広がりから、AI活用が特定層に限られず浸透しつつある様子が読み取れる。
他方で、AI導入状況については慎重な姿勢が目立つ。「関心は高いが具体化は少ない」が52.5%と最多で、「概念実証(PoC)・試験導入が増えている」が19.0%、「まだ限定的である」が21.2%となった。「本格導入が進んでいる」は7.3%にとどまり、約7割が検証段階にある構図だ。業務への組み込みや全社展開には至っていない企業が多い実態が浮き彫りとなった。
AIインフラの運用面の課題では、「運用人材の不足」が70.4%で突出しており、AIインフラの高度化に対し専門人材の確保が追い付いていない状況が示された。次いで「ハードウェアの更新・保守費用」が49.2%、「データセンター契約・コスト」が32.4%、「電力・冷却などのコスト」が23.5%と続く。人材と費用の双方が負担となり、運用体制の整備が大きなテーマとなっている。
AIインフラ構築における外部支援への期待においては「ベンダー選定や構成提案の支援」が52%で最多となり、「最新GPUの評価・検証環境の提供」が42.5%、「調達・納期の調整サポート」が41.9%、「導入後の最適化・保守支援」が37.4%と続いた。特に設計や検証など初期段階への支援ニーズが高く、適切な構成選定や性能確認の重要性が増している。
GPU検証センターの活用ニーズについては、「顧客向けPoC実施環境としての利用」が49.2%、「技術デモやセミナー活用」が44.1%と高い割合を示した。その他、「GPU性能評価・ベンチマーク」が30.7%、「自社ソリューションの最適化検証」が25.7%となり、導入前の検証用途を中心に幅広い活用が見込まれている。検証環境の整備は、導入判断を支える重要な要素だといえる。
背景には、生成AIの普及により高度な計算処理が求められ、GPU需要が急増している事情があるという。GPUの価格上昇や供給制約、構成設計の複雑化、電力や冷却に伴う負担増など、インフラ整備には多くの課題が存在する。こうした状況が、企業の導入を慎重にしている一因とみられる。
調査結果から、企業のAI活用は拡大しつつも初期段階にあり、検証環境や技術支援の必要性が高いことが明確となった。SB C&Sは今後、設計から運用までを含む支援体制を強化し、企業のAI活用促進を後押しする方針を示している。
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