「まず何から……」が62% 中小企業のAI活用を阻む“5大不安”
Leachは、中小企業におけるAI導入実態の調査結果を公表した。AI導入率は約12%にとどまり、最大の課題として「何から始めればいいか分からない」が挙がった。活用領域は、書類処理やデータ入力など、定型業務の効率化を目的とした導入が中心だ。
Leachは、「中小企業AI導入実態調査2026」を公表した。従業員300人以下の中小企業を対象に、同社支援先企業へのヒアリングや公的統計、業界調査の二次分析を基に、中小企業におけるAI導入の現状を整理した。
6割超が立ち往生する「AI推進体制」の壁
調査によると、中小企業のAI利用率は約12%と推定された。生成AIブームを背景にAI活用への関心は高まっているものの、大企業と比べると導入は今もなお限定的で、企業規模による差が依然として大きい実態が見えた。
AI導入における最大の課題は、「何から始めればいいか分からない」で62%だった。これに「コストに見合う効果が得られるか不安」が54%、「社内にAI人材がいない」が48%、「セキュリティ面への不安」が31%、「経営層の理解が得られない」が28%で続いた。
調査では、AI技術そのものへの抵抗感よりも、「どの業務に適用するか」「誰が推進役を担うか」といった導入テーマの整理や推進体制の構築に課題を抱える企業が多いと分析している。
実際、AIの活用領域として最も多かったのは「書類処理・データ入力」で38%だった。続いて「カスタマーサポート・チャットbot」が22%、「データ分析・レポート作成」が18%となっており、まずは定型業務や工数負担の大きい領域から導入が進んでいる状況が見えた。
リリースでは、請求書の転記や受注データの照合作業、帳票作成といったバックオフィス業務でAI活用が広がっているという。特に中小企業では、大規模なシステム刷新よりも、既存業務の一部を効率化する「スモールスタート型」の導入が主流になっているようだ。
また、投資回収の目安についても整理されている。文書作成やデータ整理、メール対応などの簡易自動化では、初期投資は5万~30万円程度、ROIの回収期間は3~6カ月程度を想定。一方、受注データの突合や帳票自動生成、チャットbotの導入などの業務プロセス自動化では30万~150万円規模となり、回収期間は6~12カ月を見込む。本格的なシステム開発では150万円を超え、回収まで1年以上かかるケースもあるとしている。
今回の調査結果からは、中小企業におけるAI導入がまだ普及途上にある一方、小規模な投資で短期間に効果を得られる領域から活用が広がり始めている状況がうかがえる。今後は、導入支援サービスの充実や、現場業務に即した具体的な活用事例の拡大が、AI普及を後押しする要因となりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
2
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
3
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
4
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
5
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
6
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
7
今日から始める「AIエージェント」入門 ~Gemini Enterprise編~
-
8
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
-
9
AIエージェントでサイバー攻撃は100倍速に 2026年最新事例から見る防御策とは
-
10
「Gemini Notebook」になって何が変わった? NotebookLMからの変更点をおさらい
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー