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業務でのAI活用は41% 企業現場での定着には課題も

トラスクエタの調査で、業務AIの利用率は41%にとどまり、未利用者が59%を占めた。AIに求められる役割として最も多かったのは「業務効率化」だ。便利さへの期待が高まる一方、現場での定着やAIによる判断への不安が、普及に向けた課題として見えてきた。

» 2026年06月23日 07時00分 公開
[後藤大地キーマンズネット]

 トラスクエタは2026年6月18日、全国の20歳以上60歳以下の男女100人を対象に実施した「業務におけるAI利用に関する意識調査」の結果を発表した。生成AIをはじめとするAIツールの普及で企業の業務現場でもAI活用への関心が高まるなか、現在の利用状況や導入意向、活用分野、業務改善への期待、実務利用時の不安を尋ねた。調査は2026年5月27日にインターネットで実施された。

業務でのAI活用半数未満、文章作成・メール作成がAI活用の中心に

 調査によると、現在、業務で「AIを利用している」人は41%だった。「利用していない」人は59%で、業務現場でAIを日常的に取り入れる人は半数に満たない。AIに関する情報やサービスは広がっているものの、企業全体で広く定着した段階には至っていない実態が示された。

 今後1年以内のAI導入意向において、「すでに導入している」が22%、「はい」が17%だった。導入済み、もしくは導入を考える層は一定数存在する。一方で、「いいえ」は34%、「未定」は27%で、導入判断を保留する層も多い。トラスクエタはその背景として、費用対効果や社内での運用方法、既存業務への組み込み方、出力内容の正確性など、複数の確認事項を挙げている。AI活用への関心があっても、現場でどの業務に組み込み、どこまで任せるかを決め切れていない企業や担当者が残る状況だ。

 AIを利用している業務を複数回答で尋ねた設問においては、「文章作成・メール作成」が40%で最多だった。次いで「情報収集・リサーチ」が37%、「資料作成・プレゼン作成」が30%、「データ分析・レポート作成」が20%、「議事録作成・要約」が16%となった。現時点の活用は、文章の作成や情報収集、資料作成など、日常業務の補助として取り入れやすい領域が中心だ。専門的な判断が求められる業務や、社内ルール、業界基準に基づく確認業務において、活用の余地が残るとの見方も示された。

 AIに求める業務改善において、「業務効率化」が57%で最多となった。「人手不足の解消」と「情報収集・分析の効率化」は各28%、「コスト削減」と「作業ミスの削減」は各25%だった。

 企業がAIに求める効果は作業時間の短縮だけに限らない。限られた人員で業務を回すこと、確認作業の抜け漏れを減らすこと、情報収集や判断にかかる負担を抑えることなど、業務品質の維持や改善への期待も含まれる。確認業務やチェック業務のように属人化しやすく、担当者ごとに判断のばらつきが出やすい領域において、AI活用による効率化やミス削減が課題解決につながる可能性がある。

 AIの業務利用に関する実感を尋ねた設問においては、「どちらかといえば、実務負担が軽くなる期待・実感のほうが大きい」が19%、「業務負担が軽くなる期待・実感のほうが大きい」も19%だった。AIを業務で利用していない人は26%だ。

 負担軽減への期待がある半面、実務利用への不安も残る。企業がAIを業務で使う場合、出力の速さだけでなく、内容の正確性や業務ルールとの整合性、判断根拠を確認できるかが課題となる。広告表現や各種文書のチェックなど、誤った判断がリスクにつながる領域において、一般的なAIをそのまま使うだけでは不安が残るケースもある。

 今回の調査結果からは、企業のAI活用が「試しに使う」段階から、安心して業務へ組み込む段階へ移る過程にある状況が読み取れる。業務でAIを利用する人は41%にとどまったが、「業務効率化」「人手不足の解消」「作業ミスの削減」などを求める声は多い。AIを便利なツールとして扱うだけでなく、各社の業務ルールや判断基準を反映し、現場で安心して使える状態を整えることが、今後の定着に必要な課題になる。特に確認業務やチェック業務において、担当者の経験や知識への依存、業務の属人化、判断のばらつきが課題になりやすい。AIを活用すれば、効率化と品質の安定につなげられる可能性がある。

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