DX推進が進まない要因はどこにあるのか。PCデスクワーク従事者を対象としたDX推進と業務可視化に関する調査で、どのようなDXが推進されているか、その課題は何かといった企業DXの現状が見えてきた。
DX推進は多くの企業で一般的な業務となっている。その半面、さまざまな要因によりDXが進んでいない企業も多い。PCデスクワーク従事者を対象にしたヌーラボの「DX推進と業務可視化に関する実態調査」で、その実態が明らかになった。
調査の結果、DX業務に関与する人は72.3%に達した。内訳は「主な業務としてDXに取り組んでいる」が29.8%、「メインの業務ではないが、DXに取り組む機会がある」が42.5%だった。「自分業務以外の手伝いや、簡単な情報収集などで、たまにDXに触れる機会がある程度」は27.7%だ。ヌーラボは、DX推進が多くの企業で一般的な業務になったとみる。
従事歴別に関与を尋ねた設問では、DX業務への関与期間が長い層ほど、主業務として関わる割合が高い傾向が出た。従事歴が3年超に当たる層においては、33.4%が「主な業務としてDXに取り組んでいる」と回答した。2〜3年程度の層では29.5%、1年以下の層では27.5%だった。「メイン業務ではないが、関わる機会がある」と回答した層は、3年超で40.8%、2〜3年程度で46.0%、1年以下で41.1%だった。「たまにDXに触れる程度」と回答した層は、3年超で25.8%、2〜3年程度で24.5%、1年以下で31.4%だった。
DX業務の内容では「AI・自動化の業務活用」が42.2%で首位となった。次いで「データの統合・整理」が33.1%、「業務フロー・プロセスの可視化・整理」が31.8%だった。上位3項目は、AI活用とデータ整理、業務フローの可視化で構成され、DX実務が技術導入だけでなく、既存業務の見直しを含む形で扱われる状況を示した。
このほか、「業務手順書・マニュアルの作成」は29.6%、「社内ツールの利用定着・運用改善」は29.5%だった。そして、「既存システムの刷新・統合」(23.5%)、「DX人材育成・研修企画」(22.6%)、「SaaS・クラウドツールの選定・導入」(21.4%)、「データ活用ルール・ガバナンス整備」(21.1%)、「社内DX推進体制の構築」(20.8%)と続いた。「DX戦略/ロードマップの策定」は19.9%、「DX推進のKPI・ROI設計」は17.7%だった。
DX推進における課題では「DXを推進できる人材・担当者が不足している」が35.3%で最多となった。続く「業務改善やDXに割ける時間が不足している」は28.4%、「現行業務が属人化しており、整理が進まない」は26.0%、「業務改善の目的・ゴールが曖昧なまま進んでいる」は25.5%だった。人材や時間の不足に加え、業務構造に根差す問題が上位を占めた。
その他、「部署間で業務や認識が分断されている」との回答は21.9%、「業務全体の流れが整理・可視化できていない」は21.7%、「改善しても成果が見えづらく継続しづらい」は21.5%だった。「ツールやシステムが乱立し、全体像が把握できていない」は20.7%、「継続的に見直す仕組み(PDCA)が回っていない」は19.2%、「ITツール・システム選定の判断軸が定まらない」は18.2%、「導入したツールが現場で使われていない」は16.5%となった。
ヌーラボはDXが進まない主な要因を「人材不足」「時間不足」「業務の属人化」目的・ゴールの曖昧さ」の4つに分類した。「人材不足」は企画系やバックオフィス系、技術系の職種で割合が高かった。時間不足は生産技術や生産企画、購買や物流系の職種で目立った。業務の属人化は、カスタマーサポートや生産技術、生産計画、情報システムなどで割合が高かった。目的・ゴールの曖昧さは、クリエイターやデザイナーの回答が最多だった。
ヌーラボは、DX施策で扱われる自動化やデータ活用は、既存業務の整理・可視化を土台に機能するとしている。人材が確保された場合でも、業務が整理されず可視化も不十分な状態ではDXの適用は難しいとの見方を示した。調査は、DX停滞の背景に業務のブラックボックス化があり、その解消がDX推進の入口になるとの認識を示す内容となった。
なお、今回の調査は、週1回以上PCデスクワークに従事する20代から50代の1000人を対象に、インターネットで実施された。期間は2026年2月18〜20日で、有効回答数は1000件だった。
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