AI活用企業507人調査で、売上高拡大を目的にAIを導入した企業の約7割が営業利益増を実感した。一方、コスト削減を目的とした導入では利益不変が過半となり、プロンプト格差や手直し、データ連携制約などの課題も浮かび上がった。
PRIZMAが、年商5000万円以上でAIを業務活用する企業の経営者・役員507人を対象に実施した調査(実施期間:2026年6月25日〜26日)によると、AI導入の目的によって営業利益への効果に違いがみられた。売上高の向上を目的にAIを導入した企業では利益増加の割合が高かった一方、費用削減や売上向上と費用削減の両方を目的とした企業では、「営業利益は変わらない」とする回答が過半を占めた。
AI導入後の営業利益を導入目的別にみると、「売上高の向上」を目的とした企業では、「営業利益の伸長幅が大きい」が34.4%、「やや伸びた」が32.0%となり、利益が増加した企業は計66.4%に達した。一方、「変わらない」は31.2%、「やや減少」は2.4%で、「減少幅が大きい」との回答はなかった。対象は122人だった。
「売上原価・販管費の削減」を目的とした企業では、「営業利益の伸長幅が大きい」が8.0%、「やや伸びた」が37.7%で、利益増加は計45.7%にとどまった。一方、「変わらない」は51.9%と過半を占め、「やや減少」「減少幅が大きい」はそれぞれ1.2%だった。対象は162人。
「売上高の向上」と「売上原価・販管費の削減」の両方を目的とした企業では、「営業利益の伸長幅が大きい」が7.0%、「やや伸びた」が33.1%で、利益増加は計40.1%だった。「変わらない」は57.3%と3区分の中で最も高く、「やや減少」は2.6%、「減少幅が大きい」は0.0%だった。対象は157人だった。
年商別にAI導入の主目的をみると、年商5000万円以上1億円未満では「売上高の向上」が27.5%、「売上原価・販管費の削減」が34.9%、「両方」が30.3%だった。年商1億円以上10億円未満でも、それぞれ25.0%、35.1%、25.7%となり、比較的小規模な企業では費用削減を主目的とする割合が高かった。
一方、年商10億円以上100億円未満では「売上高の向上」が23.0%、「売上原価・販管費の削減」が29.4%、「両方」が31.0%となった。年商100億円以上では、それぞれ21.0%、28.2%、37.9%となり、企業規模が大きくなるほど売上拡大と費用削減を同時に狙う傾向がみられた。
AI導入後に苦戦した点を複数回答で尋ねたところ、「プロンプトを作れる人が限られ、活用に格差がある」が29.0%で最も多かった。続いて「アウトプットの質が中途半端で、結局人間が手直しした方が早い」が23.9%、「セキュリティ規定が厳しく、中核業務・データに連携できない」が23.1%、「ファクトチェックに時間がかかり、確認工数が増えた」が21.3%だった。
調査結果からは、AIツールを導入しても社内全体への活用が進まず、一部の利用者に活用が偏るケースや、生成結果の修正・確認作業が現場の負担となるケースが少なくないことが分かった。作業時間の短縮だけでは営業利益の向上につながりにくく、AIを売上創出や中核業務に結び付ける運用体制や活用方法が利益拡大の鍵となることが見える。
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