IT導入完全ガイド
サーバ移行の第4の選択肢、IaaS最新事情徹底解説(1/5 ページ)
Windows server 2003サポート終了を前に、移行の選択肢の1つとしても考えられるIaaS。20社の比較表一覧や事例から、IaaSの最新事情を分かりやすく解説する。
2015年7月のWindows server 2003のサポート終了を前に、サーバ移行に頭を悩ますシステム部門も多いことだろう。移行先にWindowsの新バージョン搭載機を選び、これまで通りの運用を続けるのか、ホスティングサービスを利用するのか、仮想化サーバとしてより合理的な運用を図るのか、はたまたクラウドに移行するのか。およそ4つの選択肢の間で揺れ動いている企業も多いのではないだろうか。
ここ数年でサービスの選択肢が増え、成功事例が次々に誕生しているのがクラウドサービスだ。中でもIaaSは既存サーバの中身をそのままにクラウド化するのに最適だ。今回は、次のサーバの選択肢として必須の検討候補となる第4の選択肢、IaaSについて、基本知識と移行のヒント、サービスの選び方の視点を紹介していこう。
「IaaS」を利用する利点は?
IaaS(Infrastructure as a Service)は、ネットワークとサーバハードウェアとをクラウド事業者が提供し、ユーザーはサービス利用契約をして従量制あるいは固定制の利用料金を支払って、インターネットあるいはVPNなどの広域ネットワークを経由して利用する形態のことをいう。
図1に示すように、IaaSはアプリケーションの購入と運用管理およびOSとミドルウェアの運用管理はユーザー側で行い、業者側はネットワーク、ハードウェアの提供と管理及びOSとミドルウェアの提供(管理はしない)を行う。
IaaSを利用する主な利点は次の通りだ。
- サーバを所有する必要がなく、極めて低い初期投資で新しいサーバを利用できる
- 契約から分単位のスピードで思い通りの仕様のサーバが手に入る
- サーバの負荷が高くなればサーバの数を増加(スケールアウト)、仕様の増強(スケールアップ)が簡単にできる
- 必要がなくなり次第、廃棄コストもなく台数を削減したり、仕様を落として能力を削減したりできる
- ネットワークとハードウェアの運用管理責任が外部化されるので、運用管理負荷が低減できる
- 事業拠点が災害に遭っても他拠点あるいは家庭からでも業務が遂行でき、BCP対策になる
もう少し詳しく説明しよう。(1)の特長をホスティングと比較すると、ホスティングは基本的には月額固定料金であり、最低利用期間などの縛りがあり簡単に解約できず、また利用開始前の支払いが必要なことが多い。
IaaSでも同様の料金形態のものもあるが、「使っただけ課金される」従量課金制をとるサービスが多く、利用時間と選択した仕様と台数によってコストが変わる。また簡単に契約/解約ができ、無駄な料金を払う必要がない。
(2)についていえば、ホスティングよりも仕様の選択肢が広く、自社のサービスに合致するサーバを構成しやすいことが挙げられる。契約から利用開始まで、ホスティングでは数日かかることがあるが、IaaSなら契約後即時に利用可能になる。
事例
ネットショップの受注/在庫管理システムを多数のショップに向けて提供するある企業では、複数拠点からの同時アクセスや海外からの利用など顧客のさまざまな要望に答えるためにIaaSの利用に踏み切った。これにより顧客社内へのサーバ設置やソフト導入作業が大幅に短縮するとともに、新しい提案を顧客が即座に体験できる形で提示して、商談をスムーズに行えるようになった。ホスティング利用に比較してコストメリットも出ている。
(3)(4)の特長は、特にオンラインサービスやゲーム、ECサイトなどのように、アクセス量が急変しても遅延や中断を起こさずにサービスを提供したい場合や、サービスの短期立ち上げや短期間での終了が予定される場合に好適だ。(1)(2)の特長と合わせ、開発、テスト用の環境構築にも適している。
(5)(6)の特長については言わずもがなだろう。
事例
人気ソーシャルゲームを提供するある企業では、突発的に高い処理負荷がかかりリソース不足に陥る危険を回避するための対策を探していた。コスト面とスケールアウトの柔軟性を検討した結果、基本的にはサーバホスティングでのサービス提供を行いながら、突発的な負荷が生じた場合はIaaSで仮想サーバを調達して連携させ、適時にインフラの処理能力を上げて対応できる仕組みを構築し、コスト最適なサービス環境を実現した。
事例
オンラインプリントサービスを提供するある企業では、グローバルにサービス展開するPaaSとIaaSを選択し、サービス窓口をPaaSで構築、印刷データの変換システムをIaaS上で構築して連携させることにしたところ、国内クラウドサービス利用の場合の10分の1程度のコストに抑えることに成功した。また、年賀状シーズンなどのトランザクション量に合わせたリソース契約はその時期だけでよくなり、サーバの増減が数分でできるために無駄な契約をせずに済むようになった。
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