すご腕アナリスト市場予測
明日の情シスが担うべき職種、データサイエンティストとは(1/5 ページ)
クラウド時代に問い直される情シス部門の存在価値。「データサイエンティスト」の役割を担うことで広がる情シスの未来とは?
企業情報システムのインフラがクラウドに移行しつつある今、これまでシステムの安定稼働こそがビジネスを支える大黒柱との自負を持ってひたすら励んできたIT運用管理技術者を取り巻く環境が激変する時代が来ようとしている。
従来の仕事が外部化されることで日々の煩雑な業務から解放される一方で、「IT部門不要論」まで出始め、過激な掛け声でIT組織改革が迫られるようにもなった。IT技術者はいつまでも従来通りの仕事を続けてはいられない。
そんな環境の中で注目を集めているのが「データサイエンティスト」だ。ビジネス界の新しい花形、今世紀最もセクシーな職業とまで持ち上げられるこの職種は、一体どんな意味を持ち、何を実現しようとしているのか。またIT技術者のネクストキャリアになり得るものなのか。
「データサイエンティスト」が注目される背景
データサイエンティストは、昨今のビッグデータの急激な増加を背景にして生まれた言葉だ。SNSやブログなどのソーシャルデータ、センサーネットワークなどからの計測データ、ITシステムなどのログデータなど、比較的新しいデータ源から膨大な量のデータが日々蓄積されている。もちろん従来の基幹系・情報系システムの保管データの量も巨大で、日々追加されるデータ量もやはり増加の一途をたどっているのが現状だ。
このデータの大海の中にビジネスに役立つ何かがあるはず、という漠然とした期待は以前からあった。しかし、誰が、どうやってそれを見つけ出すのか、見つかったとしてどうすればビジネスにフィードバックできるのかに、一般的には明確な答えがなかった。
上手にデータを分析し、ビジネスに役立てている企業もある。そうした企業には、データ分析スキルとともに「予測できる能力」「結論を出せる能力」を持つ人材がいる。その人はビジネスにどのデータが役立つのかを予測してデータをより分け、目的に合わせた切り口(分析軸)で、さまざまな分析手法を用いて戦略的にデータを分析する。さらにその結果からビジネスに利益をもたらす提案ができるように結論を導く。そうした人材こそがデータサイエンティストだ。
この職種には一般的な定義はないし、公的な資格もない。どの部署に所属していようと、ビジネスに役立つデータ活用ができればデータサイエンティストになれる。社内でその肩書を職種とするかどうかは別問題だが、他の従業員よりも経営に近い立場で、経営者や部門の長に提案や意見をするという、ビジネスを左右する重要な役割を負うことになる。だからこそ花形と呼ばれるのだ。
その花形への道に一番近いのはどの部署かと言えば、IT部門である。なぜなら、社内のデータのありかを知り、データの形を知り、ビジネスとの関係も分かっているのはIT部門以外にはないからだ。以下にもっと詳しく述べてみよう。
従来のアナリティクスの課題は?
「データ分析なら昔からしている」。そんな声が聞こえてきそうだ。それはもちろんその通り。データウェアハウスやOLAPツールはずいぶん昔から使われてきたし、Excelのデータ分析ツールも身近なものだ。
しかし、今求められているのはもっとビジネスにより添い、ビジネスの結果を出せるデータ分析だ。それに最も必要なのは適切な「分析軸」と「手法」だ。特にこれからますます重要になるビッグデータの分析には、短期的には次の3つの領域で適切な分析軸が設定できる能力と、効率的に結論が導き出せる分析手法を決めるテクニックが必要である。
- マーケティング
- リスク管理
- M2M(Machine to Machine)/IoT(Internet of Things)
この3領域について、まずは従来の課題を考えてみよう。
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