5分で分かる最新キーワード解説
レガシー迷宮を攻略する「ソフトウェア地図」とは?(1/3 ページ)
複雑化したレガシーソフトのコンポーネント判別やプログラムとデータ間の依存関係を可視化できる「ソフトウェア地図」が登場した。
今回のテーマは、長年の開発保守の繰り返しで肥大化、複雑化したレガシーソフトウェアを見直したいけれど、もうどこから手を付ければよいのか分からなくなった企業の道しるべになる「ソフトウェア地図」だ。機能コンポーネント判別やプログラム間とデータ間の依存関係などの可視化にとどまらず、業務ロジックの複雑度も見える化できる技術が登場した。
「ソフトウェア地図」って何?
ソフトウェア地図は、膨大なアプリケーションのコードを自動解析し、機能コンポーネント別に分類、処理やデータの依存関係などをもとに全体像を俯瞰できるよう「市街地図」風に可視化する技術だ。
富士通が2012年に発表した技術では、アプリケーション再構築などに必要な初期分析の対象範囲絞り込みなどを省力化して工数を半減させた。2015年5月、業務ロジックの複雑度の可視化技術を開発しソフトウェア地図に反映した。
なぜ「ソフトウェア地図」が必要になるのか
「ちょっとここ、もう少し改善できないかな」と業務システムへの急な改善要求。簡単そうだと思って取り掛かったら、影響が別システムに波及、それを直したら今度はまた別の業務に支障が出る。
長年使い続けたレガシーアプリケーションは、数千から数万のプログラムの集合体で、増改築を繰り返してどこがどうつながっているか分からない迷宮のようなものになっていることが多い。全体像が把握できないままの改修や追加は思わぬトラブルの原因になりがちだ。
また、スピードアップするビジネスに追随するには、次々に登場する新技術やデバイスへの対応も欠かせない。今後の保守コストアップや陳腐化の進行を考えると、機能の一部や全部を再構築する方が得策と考える企業も多い。
従来、レガシーマイグレーションはインフラのオープンシステム移行を中心にしたが、現在ではアプリケーションの最適化も視野に入れ、モバイルデバイス対応やクラウド、最新フレームワークの利用、ビッグデータ解析への対応といった現代的課題に答えるための手法を加えた「ITモダナイゼーション」手法が注目される。
ITモダナイゼーション手法の選択、工数見積もり、スケジューリング、リソース配分を見誤らないために、アプリケーションの正確な姿を知ることは必須条件だ。しかし、古いシステムの開発時の担当者が既に退職し、開発ドキュメントや改修履歴も完全に保管されていないことがしばしばあり、開発を外注した会社がなくなっていることさえある。
そこで、主にソースコードから構造を解析する必要に迫られる。だが、肥大化、複雑化したシステムではそのための工数は半年程度では収まらない。そこで役に立つのがソフトウェア地図というわけだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー