IT導入完全ガイド
BYODの実態、結局進んでいるの?(1/4 ページ)
スマートフォンの爆発的な普及と業務アプリのクラウド化によって多くの人の関心を引くBYOD。現状を明らかにしながら、考え方の基本について解説する。
2010年前後から登場し始めたBYODは、スマートフォンの爆発的な普及とさまざまな業務アプリのクラウド化によって多くの人の関心を引いてきた。現在は実装のための技術が普及し、導入におけるナレッジも蓄積されてきたことで、私物端末を業務に利用できる環境を整える絶好の機会となりつつある。今回はBYODの現状を明らかにしながら、個人と企業の領域をうまく分離させて効率よく私物端末を業務に活用するための方法について見ていこう。
BYODとは?
BYODとは、従業員の私物端末を仕事に活用するという考え方のことで、IT業界でBYODというキーワードが登場したのは2010年前後、Bring Your Ownの頭文字をとった略称「BYO」に、デバイス(Device)をひも付けて語られ始めたのがきっかけだ。
このデバイスは主にスマートフォンやタブレットなどを指すが、実際にはPCも含めた形で語られている。もともとBYO自体は、欧米のレストランなどで食事をする際に自前のワインを持ち込む形態を指す言葉で、そこから私物のPCやスマートフォンを会社に持ち込んで利用するという意味の「BYOD」がIT業界で使われるようになった。PCと遜色のないコンピューティングリソースが搭載され、業務で使えるクラウドサービスが多く増えたことで、BYODを実現する周辺環境は既に十分整っていると言っても過言ではない。
しかし現実的には、IT業界における大きなトレンドにはなっていないのが実態だろう。なぜなら、BYODはあくまで手段であり、その環境を整えることが目的ではないからだ。業務効率化や生産性向上、顧客満足度といった目的を達成するための手段の1つとしてBYOD環境の整備があり、それはあくまで選択肢の1つにすぎない。
ただし、管理部門としての情報システム部門が意図しない形でスマートデバイスなどが業務で利用されてしまう場合もあり、特に大きな目的はないものの、私物端末を持ち込んでもいいように受け皿としてのBYOD環境を整えておくというケースも少なくない。この場合は、情報漏えいを防いだりセキュリティポリシーの順守といった目的のためのBYOD環境の整備ということになってくる。
なお、BYOに関連した言葉では自社で購入したライセンスをクラウドサービスに持ち込む「BYOL(Bring Your Own License)」や、Gmailなど個人利用のクラウドサービスを業務に活用する「BYOC(Bring Your Own Cloud)」といった言葉もIT業界には存在する。中には従業員が自由に選んだ端末を指定して会社が支給する「CYOD(Choose Your Own Device)」といったキーワードもある。他にも、会社のデバイスながら個人利用を許可する「COPE(Corporate Owned, Personally Enabled)」という考え方も登場している。
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