IT導入完全ガイド
データ消去を徹底比較、SSDのデータ消去には要注意(3/4 ページ)
データ消去が一目瞭然、「物理破壊」
機器から抜き出したHDDなどの記録媒体を物理的に破壊する方法。HDDであれば磁性体が塗布されたプラッタと呼ばれる磁気ディスクに穴をあける、プラッタ自身を折り曲げる、大型の装置でHDDごと粉々に粉砕するといった方法がある。正しい方法で破壊できれば最も安全性の高いデータ消去といえる。見た目でも破壊したことが分かる上、HDDを抜き出す時間を含めても1台あたりの処理時間は短くて済む。
ただし、この方式は、あくまでプラッタの一部を破壊するだけ。穴の空いていない部分のプラッタ表面にはデータが残っているため、万一そこから情報が読み出されてしまう可能性は否定できない。シュレッダなどで完全破壊できるのがベストだろう。
起動しないHDDでも消去できる「磁気消去」
もともとHDDは、プラッタ表面に塗布された磁性体の層に対して、磁気ヘッドから出る磁力線によって磁性層にある磁性粒子を磁化し、それを0と1として書き込むことで情報を記録する。この磁性粒子の並びを強力な磁気を照射することで無秩序なならびに変えるのが磁気消去だ。具体的には、強力な磁気を発生させる装置の中にHDDを入れ、瞬間的に強磁場を発生させることで、一瞬のうちに無秩序な磁性粒子のならびに変えてしまう。
磁気消去のメリットは、モータや磁気ヘッドが破損して起動しないHDDであっても、プラッタ上のデータを消去することが可能な点だろう。また、SCSIやIDEなどHDDとの接続インタフェースの種類やRAID構成などの有無にかかわらず消去できることもメリットに挙げられる。ただし、HDDの再利用はできないため、廃棄することが前提となる。他にも、物理破壊と比べて外から見ただけではデータが消去されたかどうか判断しにくい点は注意が必要だ。
なお、最近のHDDは大量の情報を記録する必要に迫られており、磁性層の厚み方向に磁力線を通すことで記録密度を高める垂直磁気記録方式が主力だ。以前の水平磁気記録方式に比べて磁性体の中に強力に保存されており、磁気消去する際にも垂直磁気記録方式に対応した装置が必要になってくる。
コラム:マイナンバーに関するデータ消去の重要性
機密性の高い情報としてこれから流通することになるマイナンバー。マイナンバーが記録されている記録媒体に対しては、どのような対応が求められているのだろうか。マイナンバーに関して規定されている番号法のガイドライン「第4-3-(3)のB」に記載されている「保管制限と廃棄」では、マイナンバーが記録された機器や電子媒体の廃棄について具体的に触れられていない。
廃棄方法などの具体的な内容については「(別添)特定個人情報に関する安全管理措置(事業者編)」を参照することとなっている。この資料の中でも廃棄としてしか書かれていないが、「廃棄=破壊して捨てる」という意味だけでなく、再利用のリユースや資源としてリサイクルも含まれているというのが実態だ。マイナンバーが記録されたものは必ず物理破壊して捨てる、ということではないことを知っておこう。
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