IT導入完全ガイド
顧客中心のマネジメント手法「CRM」選択の視点(3/3 ページ)
外部システムとの連携がしやすいかどうか
収集された多くの情報は、分析のために活用していくことが求められる。導入当初はCRM内に備わった分析機能や帳票機能で結果の可視化が可能だが、収集された情報はそれ以外にもさまざまな場面で活用することが可能になる。
だからこそ、外部システムとの連携が柔軟に行えるような仕組みを検討したい。たとえクラウドサービスであっても、クラウド間連携などが柔軟なサービスを選択すべきだ。
連携については、例えば販売管理システムと連動させることで、商品ごとの売上と営業の訪問など活動履歴との相関関係を分析することで、これまでにない気付きを得られることもある。また、顧客情報がCRM上で管理されていれば、それを見積書や稟議書、請求書へ流用することで業務負担の軽減や生産性向上などにも寄与する。
逆に、基幹システムにある人事情報や商品情報などのマスターをCRM側に取り込んで利用することも当然あり、オンプレミスとクラウド環境でのハイブリッドな連携が必要になるケースもある。柔軟な連携が可能かどうかはしっかり確認しておきたい。
定着に向けたサポート体制が充実しているか
CRMは収集された情報を分析してアクションにつなげていきながら、さらにその結果を次のうち手に活用するというPDCAを適宜回していくことが必要で、できるだけ日常の業務の中に定着させていくことが必要だ。そのためには、ソリューションの使い勝手はもちろん、定着するまでのベンダー側のサポート体制が充実しているかどうかも見ておきたいところだろう。
導入初期のコンサルティングはもちろん、習熟する段階や本格活用の時期などタイミングごとに目標を設定し、その達成度合いをベンダー側と一緒に確認していくというサービスを提供するところもある。中には、利用率や返信率などCRMの活用度合いをリモートで監視し、閾値に達していない場合はコンサルタントが改善策を新たに提示するなど、運用面での日常的なサポートを売りにしているところもある。
プロセスを大きく変えていくには、その企業に文化として定着させるまでの根気のいるフォローアップが必要になる。ソリューションのみならず、サポート体制の充実度合いはしっかり確認しておこう。
単機能製品か、統合製品か
顧客接点を持つさまざまな領域にCRMが拡大しており、市場では統合的にソリューションを提供する統合型CRMだけでなく、SFAやコールセンターソリューションなど、それぞれ単機能でのソリューションも多く提供されている。
どちらの製品を選ぶべきなのかはその目的によって異なるが、「顧客を知る」というCRMの本質に立ち返れば、さまざまなチャネルを通じて顧客接点が生まれている今、単機能でのソリューションだけではもの足りなさも否めない。
営業力強化という目的だけを推し進めるのであれば単機能のSFAの方が優れている面もあるが、ソーシャルやメール、電話、Web問い合わせ、リアル店舗など、あらゆるチャネルから得られた顧客情報を統合的に管理し、ユーザーに最適な体験を作り出すためには、統合的なCRMの方が将来的に拡張する際には便利だろう。あらためて根本的な目的について振り返りながら、最適なソリューションを選択してもらいたい。
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